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2026年7月28日(火)@オンライン

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探求!「働きやすいけどやりがいもある組織」のつくり方 | vol.3「株式会社LIXIL」

LIXILのD&Iはトップダウンから「現場主導」へ前進 社員が自ら課題を解決する組織の人事の役割とは

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 働きやすい職場づくりと、個人が最大限に力を発揮できる環境。その両立を本気で目指す企業にフォーカスする本連載。ワーキングペアレンツ向け転職サービス「withwork」を展開するXTalent株式会社の上原達也氏とともに、制度や風土づくりの工夫、そしてそこで働く人々のリアルな姿から“幸せな働き方”のヒントを探っていく。今回は、経営主導で進め、組織に根付き始めたD&Iの意識を土台に、従業員自らが職場課題を発見し、改善へとつなげる仕組みづくりを加速させている株式会社LIXILにインタビュー。組織変革の主体が、経営・人事から現場へといかに広がりつつあるのかを聞いた。

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根が張りはじめたD&I 認知から実践へとつなげるのがこれからの課題

上原達也(以下、上原) 貴社は、2018年のD&I宣言以降、組織体制の見直しや女性管理職比率の向上、障がい者雇用などを積極的に進めてこられました。現在までの取り組みをどのように評価されていますか。

中井辰夫氏(以下、中井) 一言でいえば、「まだまだです」というのが率直な認識です。2018年頃から会社全体でD&Iを推進してきており、私の入社当時(2020年)と比べると社員やビジネスリーダーの間での理解や浸透度は大きく高まりました。工場や営業現場でもD&Iに関する話題が自然と出てくるようになっています。

 ただ、植物にたとえるなら、まだ根が張りはじめた段階です。認知から実践へとつなげていくことが、これからの課題だと考えています。

中井 辰夫氏

中井 辰夫(なかい たつお)氏

株式会社LIXIL 常務役員 Human Resources 部門 日本人事総務リーダー

2004年に日系リサーチ会社にて採用・教育業務からキャリアをスタート。その後、外資系飲料メーカーでのHRBP・タレントマネジメント担当、米系および欧州系製薬会社でのHR全般を歴任。日本企業のグローバル化やチェンジマネジメントといった「戦略人事・グローバル人事」をキャリアの軸として歩み、2020年にLIXILへ入社。プライベートでは、4人の子どもの子育てと2匹の犬の世話に奮闘する一面も持つ。

上原 具体的に見えている課題はありますか。

中井 生産や営業など男性比率が高い領域では、従来の構造から変わりにくい部分を感じています。ビジネスリーダーと話していても、多様な人材が活躍できる組織の必要性は理解しつつも、具体的に何をすればよいか分からないという声も少なくありません。現実的な課題の解決に重点を置いていく必要を感じています。

 D&Iは社会的要請というだけでなく、私たちのビジネスそのものに直結するテーマです。たとえば、キッチンなどの水まわり商品は購入・選定の場面で女性の意見が大きな影響力を持ちます。社内の多様性が高まれば、それはビジネスの成果にもつながるはずです。

“意味がある”と思ってもらえる従業員調査「LIXIL Voice」

上原 貴社のような大企業が、D&Iの重要性を組織に浸透させることができた施策の1つに、従業員の声を拾う仕組みである「LIXIL Voice」があると思います。

中井 LIXIL Voiceは、当社独自の従業員意識調査です。それまでも外部のサーベイは利用していましたが、2021年にやり方を変え、自分たちが重視しているテーマをもとに設計し、独自のサーベイを行うようになりました。

 特徴的なのは、エンゲージメントだけでなく「組織のインクルーシブ度」を測る設問を設けていることです。サーベイの結果は、全世界で一定数の部下がいる約4000人のマネージャーに共有し、自チームの状態を確認して改善活動を進められるようにしています。おかげで、インクルージョンスコアは着実に向上しています。

上原 サーベイの結果を現場のマネージャーが見られるようにしているんですね。

中井 想像以上に活用されています。工場を訪問すると、「うちのチームの課題はこれです」と先に説明を受けることもあります。タウンホールミーティングでも「私たちの職場のインクルージョンはどうか」という議論が自然に行われています。

 最も手応えを感じているのはサーベイの回答率です。開始当初80%台前半だった回答率は、昨年は91%程度まで上がりました。それだけ社員が「このサーベイには意味がある」と感じてくれていると思っています。

上原 従業員が「意味がある」と感じられるのはなぜでしょう。

中井 一貫して重視しているのは「アクション」です。結果を現場にオープンにし、具体的な打ち手を考える。その際は、リーダーが1人で考える必要はなく、チームメンバーといっしょに考えていこうと。このプロセスを「エンプロイーリスニング」と呼び、繰り返し伝え続けています。

上原 では、人事部門ではサーベイ結果をどのように活用されているのでしょうか。

木下有理氏(以下、木下) サーベイ結果を受け取り、自分たちで分析して部門全体に共有し、改善アクションを決めています。

 たとえばある年では、1年間で3つのアクションプランを設定し、半年ごとに進捗確認を行いました。グローバルのメンバーも交えて小グループで話し合い、そこで生まれたアイデアを実行まで持っていきます。CEOの瀬戸の話を直接聞ける全社向けセッション「Connect with Kinya」も、そのプロセスから生まれた施策の1つです。これは、2024年6月の調査で、経営・戦略の理解を高めることと経営層とのコミュニケーションを増やす必要性が明確となったために設けました。

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この記事の著者

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

袖山 俊夫(ソデヤマ トシオ)

上智大学法学部卒。上場企業に入社し、宣伝部に在籍。その後メディア・コーディネーターとして独立。以来、多くのフリーランススタッフと案件ごとにユニットを編成し、大手新聞社グループ各社が発行する媒体のコンテンツ制作をハンドリングする。現在は、執筆業に専念。経営やHR分野を中心に、企業経営者や人事責任者、大学教授などのイン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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