残業時間の制限などとともに働き方改革の1つの柱となっているのが、「多様な働き方」ですね。テレワークも多様な働き方の選択肢として注目を集めています。しかし、同僚・上司の目があることを前提としてきた現在の働き方を基準に考えると、「仕事が進まない・進捗を管理できないのではないか」「さぼるのではないか」といった懸念も自ずと出てきます。今回はそうしたテレワーク導入にまつわる心配事を筆者がどのように解消してきたかを紹介します。
テレワークを始める際に確認すべきこと(チェックリスト付き)
当社がテレワークを導入したきっかけは、「優秀な人材を確保することの困難さ」からでした。同様のことを感じていらっしゃる方は多いと思います。前回も述べましたが、正攻法では小さな企業に人は集まりません。大企業に負けずに人材を確保するためには、違う土俵で戦う必要がある――そうと考えたとき、当時まだそれほど注目されていなかった「テレワーク」を自社で行えないかと考えました。
ただし、テレワークという“就業体系”を実現するために新しい事業を立ち上げるのでは本末転倒です。そこで、私が考えたのは「自社社員のテレワーク化」でした。
そこで、自社を以下の3つのセグメントから分析してみました。
- ① 仕事の振り分け・マニュアル化
- ② テレワーク体制で働かせる人材の選別
- ③ テレワークを実現するためのシステム構築
そして得られた知見から作成したのが、次に示すチェックリストです。現在、当社へテレワークを導入したいとご相談をいただいたお客様に、最初に答えていただいています。読者の皆様もぜひ自社をチェックしてみてください。
テレワーク導入前のチェックリスト
- 経験が少ない人も受け渡し方次第で業務可能な仕事がある
- マニュアル化が可能な業務がある
- テレワーカーを管理するセクションが構築可能である
- 管理セクション業務も整理できる見通しがある
- 就業規則を見直すことができる
- 評価基準が明確な仕事がある
- 評価基準に則って給与体系を再構築できる
- 社内でテレワーク希望者を募ることができる(フレックス出勤可能、もしくは業務ペースを変えることができる従業員がいる)
- テレワーク希望者が多少でも集まる見込みがある(子育てや介護に従事している従業員がいる)
- システム構築に当たって、頼れるパートナー企業がいる
当社ではこのチェックリストへの回答をもとに、まずは自社社員のテレワーク化を具体的に考えた上で試験導入を行い、問題を解決しながら本格的なテレワーカーの募集というフェーズへ移行をすることをお勧めしています。なぜならこれこそが、当初は紆余曲折しながら私が通ってきた道であり、かつ、テレワーク導入の最短経路だと知っているからです。
なお、このチェックリストに最初から全部チェックが入る必要はありません。このチェックリストは、チェックが入らないとテレワークの導入が厳しいという判断基準のためのものではなく、どちらかというと、テレワークを導入する際に考える必要がある項目を整理しているものだからです。
実際、チェックリストにチェックが入ることは少ないです。ご相談に来た企業の方と一緒に、上記チェックリストを見ながら、
- 現在の仕事を分解し、
- 従業員を見直し、
- システム構築を考えていく
ことがほとんどです。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
-
- Page 2
この記事は参考になりましたか?
- テレワーク導入はじめの一歩連載記事一覧
-
- テレワーク導入に心配は無用、仕組みを作れば人材はむしろ成長する
- なぜ、これからの企業はテレワークを導入すべきなのか
- この記事の著者
-
鈴木 信吾(スズキ シンゴ)
株式会社イマクリエ 代表取締役。2002年に青山学院大学を卒業後、大手住宅メーカー・大手自動車部品メーカーを経てコンサルティング会社でクライアントの経営戦略立案等を主に担当。その後、2007年に株式会社イマクリエを4人で創業。2016年に代表取締役に就任。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

