日本人事経営研究室は、全国の中小企業で働く一般社員400名を対象に、「人事評価制度と経営計画の有無」がもたらす賃上げの実態や、従業員の働きがい・定着率への影響に関する調査を行った。
調査の結果について、同社は以下のように述べている。
直近1年間で、給与が上がったかを聞いたところ、「かなり上がった」と「少し上がった」を合わせると全体の56.8%が賃上げされた結果となった。これを人事評価制度と経営計画の有無別に見ると、人事評価制度と経営計画がある企業では「かなり上がった」と「少し上がった」を合わせて73.0%に達したのに対し、両方ともない企業では38.0%にとどまり、制度と計画の有無によって賃上げ実施率に約2倍の格差が生じていることが明らかになった。
現在の給与水準や直近の賃上げ結果に対して、どの程度納得しているかを聞いたところ、「あまり納得していない」と「全く納得していない」を合わせると全体の64.1%となり、多くの人が納得していない結果となった。 しかし、これを人事評価制度と経営計画の有無別に見ると、人事評価制度と経営計画がない企業では「あまり納得していない」と「全く納得していない」を合わせると72.0%まで上がり、評価やビジョンがないことにより、給与への納得感が薄まっている傾向にあることが分かった。
これからも今の会社で働き続けたいかを聞いたところ、人事評価制度と経営計画の有無別に見ると、両方ともある企業では「かなり思う」と「少し思う」を合わせて63.0%となったのに対し、両方ともない企業では41.0%に低下。制度の有無によって社員のエンゲージメントに大きな差が出ている。
働き続けたいと思わない人に対してその理由を聞いたところ、全体の49.0%が「給与や待遇に不満があるから」と回答。次いで「会社や自分の将来性に不安を感じるから」(41.8%)、「職場環境(人間関係、労働時間など)が悪いから」(37.6%)が続いた。人事評価制度と経営計画が両方ともない企業では「給与や待遇に不満があるから」と回答した人が61.0%と高く、給与への不満が離職の大きな引き金になっていることが明らかになった。
上記以外の調査結果については、プレスリリースを参照のこと。
また、日本人事経営研究室 代表取締役 山元浩二氏は、同調査の結果を踏まえ、次のようにコメントしている。
「今回の調査によって、人事評価制度と経営計画の連動が単なる『査定の道具』ではなく、社員の働きがいを創り出し、業績向上や賃上げの原資を生み出す『組織成長のエンジン』であることが実証されました。中小企業が今後、人材を確保し生き残るための分岐点は、この『仕組み』を持っているか否かにあるといえるでしょう」(山元氏)
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