エンワールド・ジャパンは、企業のテレワーク実施状況についてアンケートを実施。テレワークを実施しているグローバル企業189社から回答を得た(外資系企業:69%、日系企業:31%)。調査期間は2020年6月29日~7月2日。
(調査の詳細な結果はこちらから)
テレワークを実施している企業の約3割が「全社員を対象に継続」(外資系企業:28%、日系企業:24%)、5割が「一部社員を対象を継続」(外資系企業社員:51%、日系企業:50%)と回答。そのうちの48%が「半永久的にテレワークを継続する予定」(外資系企業社員:52%、日系企業社員:36%)としている。頻度は「週2〜3日」が最多で42%(外資系企業:37%、日系企業:56%)、「週5日・全営業日」と回答した企業は16%(外資系企業:18%、日系企業:8%)にとどまった。
「全社員を対象に継続」と回答した企業が挙げた理由の第1位は「社員の安全確保」で84%(外資系企業:91%、日系企業:63%)。外資系企業では7割以上が「柔軟な働き方の実現」「社員のワークライフバランスの充実」「テレワークでも業務に支障がない」と回答し、安全面以外の観点からもテレワークの継続にポジティブな意見であることがうかがえた。
また、「一部社員を対象に継続」と回答した企業が挙げた理由の第1位は「職種や業務の都合で出勤せざるを得ない人がいるため、全員対象にできない」(外資系企業:100%、日系企業:88%)。ただし、日系企業では「社員全員のテレワーク環境が十分に整っていない」が半数を超えた(外資系企業:7%、日系企業:53%)。
なお、「継続しない」と回答した企業が挙げた理由の第1位は「会社の方針」(外資系企業:67%、日系企業:100%)だった。
テレワークを導入している企業に、「テレワーク導入後に社員の生産性・業務パフォーマンスがどの様に変化したか」を伺ったところ「変わらない」と回答した企業が最も多く42%(外資系企業:45%、日系企業:35%)となった。また、「テレワークで会社の課題となっているのはどの様な点か」を尋ねたところ、第1位は「社員間のコミュニケーション」で約7割(外資系企業:67%、日系企業:74%)。外資系企業と日系企業で最もポイント差が大きいのは「社員の評価体制」で30ポイント差となっている。結果重視で評価する文化の強い外資系企業では問題視されている割合が少なく、外資系企業と日系企業の評価体制に差があることが推察できる。
テレワーク定着のために実施していることの第1位は「チームのコミュニケーション回数を増やす」(外資系企業社員:47%、日系企業社員:45%)、第2位は「テレワークで効果を上げるためにどの様なサポートが必要か社員に聞く」(外資系企業:44%、日系企業:33%)であった。さらに、「どの様な点が社員の利点になっていると思うか」に対する回答は、9割以上の企業が「通勤時間の削減、満員電車によるストレスの低減」(外資系企業:96%、日系企業:100%)と回答している。また、「新型コロナウイルスの影響でオフィスの撤退・縮小は行っていない」と回答をした企業は9割以上を占めた。