OKANは、全国の20~50代の働く男女3760名を対象に、「withコロナで変化する『働くこと』に関する調査」を2020年8月に実施した。調査結果は次のとおり。
コロナ禍における企業と従業員の関係性について
「会社と良い関係を築けていない」が半数以上、最多は40代
コロナ禍において“会社と良い関係を築けているか”という質問に対し、「いいえ」の回答が51.7%と全体の半数を上回る結果となり、約2人に1人が会社との関係性に何らかの問題を抱えていることが明らかとなった。また、回答対象である20〜50代のうち「いいえ」の回答割合が最も多かった年代は40代で、全体の55.2%であった。
年代高いほど会社への期待が低下
コロナ禍において“会社に期待することが増えたか”という質問に対し、「いいえ」の回答は全体で75.4%であった。年代別にみると、「はい」と回答している人の割合は年代が上がるにつれが低くなり、年代が高い従業員ほど「会社へ期待することが増えた」と回答する従業員の割合が減少する傾向が見受けられた。特に20代と比較して30代が-6.4ポイントと、最も割合が大幅に減少した。
会社に愛着湧く理由1位は「特になし」で31.3%
コロナ禍で“自社に対して愛着は高まったか”という質問に対し、「いいえ」の回答は全体の72.0%であった。また、会社への愛着が湧く理由では「特になし」が全体の3割を超え、「良好な人間関係」「やりがい」を上回り全体で最も多い回答となった。「特になし」の回答については、その会社で働き続けたい理由が“ない”あるいは“わからない“と感じている、とも考えられる。
コロナ禍における個人の価値観について
大事にしたい価値観は「良好な人間関係」、約3割が現状に課題を抱えている
コロナ禍において現状、課題を抱えている価値観について尋ねたところ、1位は「良好な人間関係」で約31.3%となった。次いで「やりがい」が24.4%、「業務量と時間的負担」が20.9%であった。1位の「良好な人間関係」については、「失われることで離職を考える価値観」「働くことで最も大切にしたい価値観」のランキングでも同様に1位となっている。個人が大切にしたい、失われることで離職を考える価値観に問題を抱えている人が全体の3割を占める結果となった。
【性別・年代別比較】従業員が求める福利厚生について
最も求める福利厚生トップは「特別休暇」7割超え
2019年度の同調査と比較して、回答割合が全体的に高くなっており、福利厚生を求める従業員が増えていることが分かる。2020年度について見ると、1位はバースデー休暇やリフレッシュ休暇などの「特別休暇」、2位は結婚祝金、弔慰金手当などの「慶弔支援」、3位は家族手当などの「ファミリーサポート」となった。コロナ禍で家庭での時間が増えることで、より生活に根ざした支援を求める方向へ、従業員の価値観が変化していることがうかがえる。
40代男性の約7割が「家族支援」要望
従業員が求める福利厚生ランキングの性・年代別では、全体ランキングと同様「特別休暇」や「慶弔支援」など生活への支援が上位にランクインしている。40代男性の1位は「ファミリーサポート」で、自身の家庭への支援要望の割合が高い。また、女性全体・40代以降の男性は人間ドックやセミナー、運動・食事支援などの「ヘルスケアサポート」がランクインしており、健康への関心もうかがえる。20代女性は3位に「子育て支援」、4位に「ヘルスケアサポート」がランクイン。早い段階から今後のライフステージの変化の中で必要な福利厚生を意識し、「働き続けられる」環境かどうかを重要視しているといえる。それぞれのライフステージによって重要な価値観が変わり、求める福利厚生の順位が変動しているといえる。