大企業で働く社員のキャリア開発支援などを手掛けるライフワークスは、従業員500名以上の企業を中心とした人事、人材育成に関わる部門の担当者など75名に、従業員個人のキャリア自律に関するアンケートを実施し、結果を発表した。調査期間は2020年10月20日〜23日。
ビジネス環境や働き方の大きな変化を背景に、企業における従業員個人のキャリア自律の重要性が以前に増して上がっている。そこで同社は、人事部門、経営層、マネージャー層それぞれが「従業員個人がキャリア自律する重要性」をどのくらい感じているか、従業員個人のキャリア自律支援に向けての課題や施策の方向性について、調査を実施した。
自社の人事部門、経営層またはマネージャー層それぞれは、従業員のキャリア自律について、重要性をどのくらい感じていると思うかを聞くと、「経営層」や「人事部門」はキャリア自律の重要性を感じていることが分かった。それに対し、「現場マネージャー層」はその重要性をあまり感じていないという結果になった。
また、先の質問から、回答者は「現場マネージャー層」がキャリア自律の重要性を感じていないと捉えているにもかかわらず、従業員個人に対するキャリア自律支援施策の実施状況について聞くと、既に実施中、実施を検討している施策として挙げられたのは「上司による支援(キャリア面談や1on1)」だった。
今回の調査によると、人事部門、経営層、マネージャー層それぞれで、従業員の「キャリア自律」の重要性に関する意識のギャップがあることが分かった。このようなギャップを埋めていくためには、「企業としてのキャリア自律に関する理念や方針の明確化やメッセージの発信」「あらゆる従業員へのキャリア意識醸成の施策の構築と実施」といったことが今後の課題として見られた。
また、実施を検討している施策として挙げられたのは「上司による支援(キャリア面談や1on1)」だった。このことから、上司による部下のキャリア自律支援を効果的に行うためには、「上司がキャリア自律支援の重要さを理解すること」「適切な面談スキルなどを習得すること」といったことが今後の課題として見られた。
同調査の詳細な結果はこちらで配布している。