パーソル総合研究所は、外国人材とはたらくことを含めた多文化共生意識に関する調査結果を発表した。調査期間は2020年11月12日~11月30日。全国の15~79歳の男女1万0500人(日本人1万人、在留外国人500人)から回答を得ている。
自分が働いている職場に外国人材がいる割合は37.1%。企業規模(従業員規模)が大きくなるほど、その割合は大きくなり、1万人以上の企業の場合、外国人材が職場にいる割合は66.4%となる。
ダイバーシティ推進に関する各施策の実施状況について尋ねたところ、外国人材の管理職や重要ポジションへの登用促進・活躍支援は4.1%にとどまった。
また、外国人に対して職場では空気を読んでほしいと思う人は70.7%、日本のビジネスマナーを身に付けてほしい人は78.0%となり、同調圧力が強い傾向が明らかとなった。
外国人材と働きたい人は22.7%、やりたい仕事であれば海外で働きたい人は21.6%、機会があれば海外で働きたい人は19.3%だった。
パーソル総合研究所 上席主任研究員の小林祐児氏は次のように分析している。
「経済のグローバル化が叫ばれる近年だが、日本の職場における外国人材の活躍推進はまだまだ不十分であることがうかがえる結果となった。日本の職場への同調圧力の高さが垣間見える一方で、自ら積極的に海外に進出しようとする日本人は多くなく、日本企業のグローバル化はまだまだ遅れていると言える。
さらに、外国人との共生に関して言えば、サービスを受ける顧客側としての日本人の抵抗感も見逃せない。日本人は、家事代行や介護・医療など、居住空間への訪問や身体接触をともなうサービスに対して、外国人による提供に抵抗感が強い傾向が見られた。こうした意識は、どうすれば変えていけるだろうか。
今回の調査からは、外国人に限らず、女性や障がい者など、企業の中で様々な人材の活躍を促すダイバーシティの取り組みが、外国人との相互理解につながっていることがわかった。ビジネスシーンにおける外国人など様々な人との共生意識が社会全体に広がっていくことを期待したい。」(小林氏)