ビジネスコーチグループのB-Connectは、従業員数1000名以上の企業に勤務し、リーダー(管理職)向け研修を受講した経験のある管理職(本部長・部長・課長)を対象に、管理職における研修と実践のギャップに関する実態調査を実施した。
リーダー向け研修で得た学びを実務で「十分に行動に移せている」は約2割
これまでに受講したリーダー(管理職)向け研修で得た学びを、実際の業務で行動に移せているか質問したところ、「十分に行動に移せている」が21.3%、「ある程度行動に移せている」が52.8%という結果となった。
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研修後の実践でチーム・部下に起きた変化は「コミュニケーションが活性化した」
Q1で「十分に行動に移せている」「ある程度行動に移せている」と回答した人に対し、研修で得た学びを行動に移した結果、チームや部下にどのような変化があったか質問すると、「コミュニケーションが活性化した」が60.0%で最も多く、次いで「チームメンバーの主体性や積極性が高まった」が48.8%、「問題解決のスピードが上がった」が40.0%と続いた。
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研修で得た学びを行動に移せていない理由、「現場とのギャップ」が最多
一方、Q1で「行動に移そうと試みたが、うまくいっていない」「ほとんど行動に移せていない」と回答した人に、研修で得た学びを行動に移せていない理由として、周囲の環境や状況に関する要因を聞くと、「研修で得た学びと現場の状況にギャップがあるから」が40.9%で最多となり、次いで「上司や経営層の理解や支援が得られないから」が27.3%、「日常業務が忙しく、新たな取り組みに時間を割けないから」が27.3%と続いた。
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また、Q3で「分からない/答えられない」以外を回答した人に、そのほかに理由があるか聞いたところ、自由記述のコメントでは「環境が違う」「方法が分からない」「実際は部下それぞれに対応が変わり、自分がそれに合わせた対応をするだけの余裕がない状況」などの声が寄せられた。
学びの実践における自身の課題は「目の前の業務をこなすことで精いっぱいで余裕がない」
リーダー(管理職)向け研修で得た学びを実践する際に、自身のスキルや考え方に関して感じる課題を聞いたところ、「目の前の業務をこなすことで精いっぱいで余裕がない」が45.4%で最も多く、次いで「新しい取り組みに対する周囲の理解が得られない」が30.6%、「継続的に取り組むためのモチベーション維持が難しい」が28.7%と続いた。
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研修で得た学びを実践するうえで、「個別コーチング」を求める声
リーダー(管理職)向け研修で得た学びを実践するうえで、今後あったら望ましいと思う社内外のサポートはあるか質問したところ、「個人の状況に合わせた個別コーチング」が44.4%で最多となり、次いで「上司や経営層からの支援や理解」が32.4%と続いた。
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約8割が、定着には集合研修と個別コーチングの組み合わせは「効果的」と回答
リーダー(管理職)向け研修で得た学びを実務に定着させるために、「集合研修など一律のアプローチ」と「個人の状況や課題に応じたアプローチ(コーチングなど)」を組み合わせることは効果的だと感じるか質問すると、「非常にそう思う」が29.6%、「ややそう思う」が54.6%と、あわせて84.2%が効果的と回答した。
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Q7で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人に対し、効果的だと感じる理由を聞いたところ、「個別にフォローアップされることで、学びが定着しやすくなるから」「自分の課題やチームの状況に合わせた対応ができるから」が同率1位で49.5%、次いで「研修で学んだ内容を実務に応用するための具体的なアドバイスや気づきが得られるから」が40.7%と続いた。
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約7割が「リーダー向け研修後の個別コーチングプログラム」への参加に意欲的
勤め先で「リーダー(管理職)向け研修後の個別コーチングプログラム」が導入される場合、参加を希望するか聞いたところ、「ぜひ参加したい」が31.5%、「やや参加したい」が41.7%と、73.2%が意欲的なことが分かった。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査名称:管理職における研修と実践のギャップに関する実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2025年6月19〜23日
- 有効回答:従業員数1000名以上の企業に勤務し、リーダー(管理職)向け研修を受講した経験のある管理職(本部長・部長・課長) 108名
- 出典元:ビジネスコーチグループ B-Connect
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