森トラストグループは、社員の充実したライフスタイルの実現をサポートするため、ワーケーションの人事制度を3月22日より試験導入した。同時に、ワーケーションが組織やワーカーにもたらす効果を測定する。
同社では、これまで多様な働き方に対応するべく、フレックス勤務やテレワークの導入など、会社全体でさまざまな施策を行ってきた。そして今回、「休暇の充実が仕事の充実につながる」という考えの下、ワーケーションの人事制度を試験導入。グループ社員を対象に同社グループ運営ホテルを含む、7つのリゾート地の計9施設にてワーケーション利用を可能にした。また、有給休暇、半日有給休暇、時間単位有給休暇などを組み合わせた柔軟な勤務を実現すると同時に、滞在中の合計勤務時間が一定時間を満たせば、補助を支給する。
さらに、同社はワーケーションの普及促進のため、試験導入した制度を用いてワーケーションを行った社員に対し、エンゲージメント、メンタルヘルス、睡眠の3つの観点から、三井情報、エアウィーヴの協力の下、ワーケーションが組織やワーカーにもたらす効果を検証する。エンゲージメントについては同社がアンケートを実施、メンタルヘルスについては三井情報が各種関連データを相関分析、睡眠についてはエアウィーヴの「airweave sleep analysis」を用いてデータを取得・分析する。
クロス・マーケティングの調査によると、70%以上のワーカーがワーケーションを認知しているにもかかわらず、経験者は10%未満。また、ワーケーションを導入している企業も10%未満と、ワーケーション制度の導入は進んでいない実態が見える。同社は、制度の試験導入により、ワーケーション制度導入を検討している企業の先進事例となることを目指し、本制度化に向けた制度設計の向上を図る。さらに、今回の検証を通して、ワーケーションによる効果を見出し、同社グループが展開するワーケーション関連のサービスの向上にもつなげていくとしている。