パーソルホールディングスは、コロナで変化する人事戦略に関する調査結果を発表した。本調査は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で変化する働き方に伴い、今後2~3年の人事戦略について、大企業から中小企業まで約1000名の経営者・人事を対象に、2021年1月22日~1月26日の期間で行った。規模別、エリア別の詳細を含むレポートを無償で公開している。
今後2~3年で注力したいテーマは、「テレワーク推進」「次世代リーダーの育成」が上位に挙がった。なお、中小企業では「中途採用の強化」が最上位である。
雇用管理の動向として、「現在はメンバーシップ型寄りだが、今後ジョブ型の一部導入を考えている」もしくは「現在はメンバーシップ型寄りだが、今後ジョブ型への変更を考えている」を選択した企業は全体で32.5%と3割以上の企業がジョブ型移行を検討していることが分かった。
人材育成の方針は、今後2~3年で「これまでと方針をある程度変えていく必要を感じている」が48.7%となり、「これまでとは大きく方針を変えていく必要を感じている」(15.2%)と合わせて6割以上を占めている。
以下は、今後2~3年の人材育成方針で「何を変える必要があるか」についてのフリーコメント(抜粋)である[1]。
【共通】
- コロナ後の世の中に対し変化の必要性と柔軟性を重視する
- ITに強い人材を育てる必要性を感じている
- オンラインが増える中でのコミュニケーション力
- はたらき方の多様化、テレワーク活用にあわせた変化
【超大手企業】 ※従業員5000人以上
- 集合研修の見直し
- 自ら考えて実行する人に育てる
- マネジメント職のスキルアップ
- グローバル人材の育成に力を入れるべき
- より専門性の高い教育が必要
【大手・中堅企業】※従業員数500人~5000人未満
- 一律的な教育プログラムでなく、もう少し多様な育成法を導入したい
- 研修や学習の機会を増やす
- 個人に合った育成
- 各自がキャリア形成をする、会社は支援する
- 期待する人材像の再定義
- 次世代リーダーの育成
【中小企業】※従業員数500名未満
- テレワーク含め、オンラインでの仕事の進め方
- 危機に対応できる能力の育成が必要だと感じる
- プロフェッショナルな人材を育成、スキルの社内育成
- 幅広い年代層の活用
- 幹部研修
会社側の理想として「8割以上の人が定年・再雇用まで自社でキャリアを積んでいく」が半数に迫るものの(49.2%)、実態は24.5%と全体の4分の1にとどまった。
注
[1]: 「今後2~3年の人材育成の方針」設問において、「これまでとは方針を大きく変えていく」「これまでと方針をある程度変えていく必要を感じている」を選択した人が回答対象(任意回答)。