doda(デューダ)は、過去10年間のdoda会員登録者数のうち、新社会人で入社月の4月にdodaに登録した数を分析し、「新卒入社直後のdoda登録動向」としてまとめ、結果を発表した。
今回の分析により、新社会人は入社直後から中長期的な視点でキャリアを考え、自身の市場価値を把握しながら、将来の転職も選択肢に入れた情報収集を行う傾向が強くなってきていることが分かった。
doda編集長 喜多恭子氏は、分析結果について以下のように解説している。
「2011年から現在までに『doda』に会員登録した人のうち、4月に登録した新社会人の数を集計したところ、10年間で約26倍に増加していることが分かりました。2020年は新型コロナウイルス感染拡大を受けて発出された1回目の緊急事態宣言の時期と重なり、登録者は減少していますが、その年を除くと全体的に増加傾向となっています。登録が大きく伸びている背景には、この10年で『はたらく価値観』を大きく揺さぶる出来事が複数あったことが考えられます。
2011年には東日本大震災という未曽有の事態がありました。2016年からは人生100年時代の到来で、人生設計の在り方を考えることの重要性が認識され始めました。近年は、AIの台頭やビジネスのDX(デジタルトランスフォーメーション)化による労働市場の急速な変化、さらには終身雇用の限界も叫ばれています。
これらを背景に、新社会人は『将来の転職』に備えて、早い段階から転職サイトに登録して情報収集を行うようになってきていると考えられます。
特に2019年は、経済界のリーダーによる『終身雇用の維持は難しい』といった主旨の発言が目立ちました。その年に就職活動をしていた2021年度入社の新社会人は、終身雇用の崩壊を強く意識して就職活動をした、最初の世代といえるでしょう。これからの世代では、早期に転職サイトに登録する動きがさらに加速すると予想されます。数年後には、就職活動時から転職を意識する“転職ネイティブ世代”が転職市場に台頭してくると思われます」(喜多氏)