労務の専門性を理解してもらい、業務を改善していきましょう
Bさん
労務の本来の業務内容や、人事業務の割り振りの仕方についてイメージできましたか?
Aさん
ありがとうございます! 前職は④の形に近くて、採用と労務、総務と経理が社内にいました。分業制で労務の業務をピンポイントで行っていた会社から、⑤の会社に転職したのでギャップが大きかったんですね!
Bさん
そうですね。バックオフィスと打ち出しながらも、ふたを開けたら労務や人事、経理など何でもお任せしますという求人募集は多いですからね。今回説明したように、労務は人事の中に位置付けられる職種で、バックオフィスは会社の非営利部門の総称です。バックオフィスの求人に応募するときは、具体的にどのような業務を行うのか、突っ込んで聞いておくと安心ですよね。ただ、経営者や人事の中には、労務の役割や業務内容を十分に理解しきれていない人も多いんです。
Aさん
分かりました。せっかくの機会なので今は労務以外の業務も幅広くチャレンジしつつ、前向きに頑張ってみます。その他に、今後気を付けたほうがいいことはありますか?
Bさん
Aさんの労務のお仕事は、誰でもできる事務仕事ではなくて、非常に専門性が高い業務なんです。労働法や関係法令を遵守しながら従業員を守り、経営基盤を支える最重要ポジションだと私は思っていますよ。
今は組織の構造上、バックオフィスとして労務以外の業務も担当していると思いますが、労務の重要性を社内でしっかり伝えて、部署の配置を変えていくのもいいかもしれませんね。ただし、総務や経理、営業事務などそれぞれの適任を採用するには費用も時間もかかります。例えば、Aさんが使いやすいクラウド人事労務ソフトなどのシステムを活用するなど、今の組織にあった形で提案していけるとよいと思います。
労務やバックオフィスとして働く本人だけでなく、経営者をはじめ働くすべての人々が、職種理解を深めて正しく評価し合えるよう、知識を身に付けていけたら素敵ですね。一緒にまた学んでいきましょう。
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今回はAさんの転職先での話をきっかけに、人事労務やバックオフィスの役割についてお伝えしました。本連載では引き続き、人事労務にまつわるお悩みや相談事を取り上げ、皆さんの仕事に役立つ情報を提供していきます。