転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリアは、男性育休に関する意識調査を実施した。第1弾である今回は、学生以外の20代から50代男性に焦点を当てた。調査期間は、2021年10月9日~11日。555名から回答を得ている。なお、同調査は、パーソルキャリアが男性社員の育休取得をさらに推し進めていくにあたり、人々の男性育休への考えを理解するために実施したという。
調査の結果について、同社では以下のように述べている。
子どものいる、学生以外の20代~50代男性に、育休取得の有無を尋ねたところ、15.4%が「取得したことがある」、84.6%が「取得したことがない」と回答した。
育休取得期間は、第1子誕生時は1週間以内が29.8%、2~3週間が27.9%、1か月以上が42.2%であったのに対し、第2子誕生時は1週間以内が31.3%、2~3週間が15.8%、1か月以上が52.8%だった。第2子誕生時のほうが1か月以上の育休取得が増えているのは、子どもを2人見ることの大変さや、第1子誕生時に十分な期間育休を取得できなかったことへの想いなどの表れではないだろうか。
将来子どもができた場合に育休を取得したいか聞いたところ、「取得したい」と回答したZ世代(20歳~24歳)は84.6%、ミレニアル世代(25歳~39歳)は80.1%、それ以上(40歳~59歳)は69.6%という結果になった。
取得希望期間を尋ねたところ、Z世代は1週間以内が12.2%、2~3週間以内が24.2%、1か月以上が63.6%。ミレニアル世代は1週間以内が9.0%、2~3週間以内が30.8%、1か月以上が60.2%で、それ以上の世代は1週間以内が4.3%、2~3週間以内が21.4%、1か月以上が74.3%。それ以上の世代で1か月以上が最も多いのは、比較的長期の休みが取りやすい役職者である可能性が高いことや、周囲の子育て・育児経験からその大変さを痛感している可能性があると考えられる。しかし、どの世代も半数以上が1か月以上と回答しており、これからは男性が1か月以上育休を取得できる社会の実現が求められていると想定される。
育休を取得してよかったことを尋ねたところ、1位は「育児をできた/分担できた」(39.5%)、2位は「家事をできた/分担できた」(37.9%)、3位は「子どもへの愛情が深まった」(31.8%)。
取得してよくなかったこと、困ったことで最も多く挙がったのは「収入が減った」(25.8%)、次いで「上司/部下/同僚など、勤務先に迷惑をかけた」(20.2%)、そして「休暇取得前の業務の引き継ぎが大変だった」(18.9%)だった。
育休を取得しなかった人にその理由を尋ねたところ、最も多かった回答は「男性が育児休暇を取得するという考えがなかった」(26.1%)、次いで「当時は男性の育児休業制度がなかった」(23.8%)、「当時の業務状況では休暇取得が難しかった」(20.0%)という結果になった。
男性の育児休業制度に対する気持ちを尋ねたところ、42.6%が義務化するべき、39.3%が義務化ではなく推奨とするべき、18.1%が義務化も推奨も必要はないと回答した。これは男性が、「育休は取りにくい。だから義務化すべき」と感じている心理を写し出しているのではないだろうか。法律の改正と会社の制度整備をベースに、子どもができたら男性が育休を取るのは当たり前という環境作りが求められていると想定される。