アサヒグループホールディングスは、性差別撤廃や女性の地位向上などに向け3月に策定した、「ダイバーシティ&インクルージョン ステートメント」に「エクイティ(公正)」の考え方を加え、名称を「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)ステートメント」へと変更した。
同社は、DE&Iで実現すべきこととして「shine AS YOU ARE」をコアメッセージに据え、すべての人が職場、家庭、公共の場で自分らしく表現し、自由に輝くことを応援していくという。
特に、女性活躍推進を重点テーマとして位置づけ、国内外グループ8社の経営層における女性比率を、現状の22%から2030年までに40%以上とする目標を新たに設定。DE&I推進体制を構築し、制度や仕組みの見直しとともに、育成・風土醸成の取り組みを推進する。
経営層における女性比率目標の対象会社
- アサヒグループホールディングス
- アサヒグループジャパン
- アサヒビール
- アサヒ飲料
- アサヒグループ食品
- アサヒヨーロッパ&インターナショナル
- アサヒホールディングスオーストラリア
- アサヒホールディングスサウスイーストアジア
国内グループ会社における主な取り組みは以下のとおり。
推進体制の構築
DE&I委員会の設置
- 目的・役割:国内グループ全体の取り組み方針を決定する場として、制度・仕組みの見直しや環境整備、風土醸成に向けた討議を実施
- 活動内容:2022年1月より年2回以上開催
- 組織構成:アサヒグループジャパン社長(委員長)、取締役、人事部長、アサヒビール社長、アサヒ飲料社長、アサヒグループ食品社長、アサヒグループホールディングス取締役兼CHRO
DE&Iサポーター制度の導入
- 目的・役割:社員の参画意識の醸成と、世代や職種・役職が異なる多様なメンバーの意見を反映させるため、公募によるサポーターが「会社への提言」「周囲からの意見収集」「周囲の理解促進にむけた働きかけ」を担う
- 活動内容:隔月開催のサポーター会議への出席、事務局からの意見収集への協力、年1回のDE&I委員会メンバーとの対話、周囲への理解促進のための働きかけ
- 公募対象:国内グループ会社の全社員
- 募集人数:15名程度
- 任期:原則1年(2022年1月~12月)
制度・仕組みの見直し
- 昇進昇格要件や評価制度を見直し、性別に関わらず多様なライフスタイルや価値観を尊重。公平に機会を提供し、公正に処遇する制度・仕組みを強化
- 男性の育児休業取得目標の設定などを検討
教育・風土醸成
マネジメント層向け研修
- 2022年1月に、約900名のマネジメント層全員を対象に、無意識の思い込みや偏見(アンコンシャスバイアス)に関する研修を実施。2023年以降は、新任マネジャーに対して毎年1回実施予定
女性社員の研修への参加率向上
- 女性社員対象のキャリア研修を実施することによって意識を高め、選抜研修などへの女性社員の参加率を現状の約10~20%から40%へ向上。キャリア開発を支援する仕組みを強化
ワークショップや社内イントラにおける意見交換の「場」の設定
- DE&Iについて考え、毎回異なるテーマで意見を交わすワークショップを2022年5月から月1回程度開催。社内イントラ上には常時自由にDE&Iについて語ることができる場を設け、寄せられた意見に対しては、経営や人事部門からのメッセージ発信にてフィードバックを実施
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