セレクションアンドバリエーションは、産業ごとの管理職の特徴を把握することを目的に「管理職比率の実態調査」を実施し、その結果を発表した。なお同調査は、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」を分析したもの。
調査の結果は以下のとおり。
管理職比率と管理職の平均勤続年数の関係性
産業全体における部長比率は7.7%、課長比率は3.8%であり、管理職比率は11.5%が平均値だった。管理職比率が最も高い産業は、「学術研究,専門・技術サービス業」で17.7%、最も低い産業は、「医療,福祉」5.9%であると分かった。管理職比率が高い産業では、管理職比率が低い産業よりも、管理職の平均勤続年数が長い傾向にあることが明らかになった。
管理職比率と管理職の平均年齢の関係性
産業全体における部長の平均年齢は53.0歳、課長の平均年齢は48.9歳だった。管理職比率が高い産業では、管理職比率が低い産業よりも、部長年齢が1.9歳、課長年齢が1.6歳低いことが分かった。
調査の結果について、同社は以下のように述べている。
同調査では、日本企業における産業別の管理職比率を確認した。その結果、管理職比率と管理職の勤続年数および平均年齢について以下2点が明らかになった。
- 管理職比率が高い産業では、管理職の勤続年数が長く、管理職の平均年齢が低い
- 管理職比率が低い産業では、管理職の勤続年数が短く、管理職の平均年齢が高い
管理職比率が高い産業では、年齢が若いうちから管理職に昇格される可能性や、管理職に昇格した後も長く同じ企業に勤め続ける可能性があるといえる。一方で、企業が従業員に対して管理職昇格への道筋を提示することは確かに重要だが、明確な昇格基準がなければ管理職数が増加しすぎる恐れもある。
【関連記事】
・「2030年までに女性管理職比率37%」を目指し施策を発表、4月時点では22.9%―パーソルホールディングス
・「女性の管理職比率」について女性にアンケート調査―しゅふJOB総研
・管理職1070人の意識調査結果を公表、管理職の悩みダントツ1位は「部下の育成」―ラーニングエージェンシー