エッグフォワードは、人的資本開示に関する上場企業の実態調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査方法:リサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2022年6月21日~6月22日
- 有効回答:上場企業の経営者・役員・経営企画・IR担当に準ずる人104名
米国証券取引委員会の上場企業に対する「人的資本に関する情報開示」義務付けを知っている企業は82.7%
『Q1.2020年8月、米国証券取引委員会(SEC)が上場企業に対して、「人的資本に関する情報開示」を義務付けました。あなたはこのことを知っていますか。』(n=104)と質問したところ、「知っている」が82.7%、「知らない」が17.3%となった。
約9割が、「人的資本の開示」は日本でも必要性が高まると予想
『Q2.あなたは「人的資本」を「開示する」考え方は今後日本でも必要性が高まっていくと思いますか。』(n=104)と質問したところ、「非常にそう思う」が45.2%、「ややそう思う」が42.3%となった。
人的資本の開示が必要になる理由、「有形資産から無形資産に移行しているから」が68.1%で最多
Q2で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人に、「Q3.人的資本の開示が必要になると思う理由を教えてください。(複数回答)」(n=91)と質問したところ、「有形資産(モノ・カネ)から無形資産に移行しているから」が68.1%、「ESG投資の重要性が高まっているから」が58.2%、「経営戦略と人材戦略の連動が重要となるから」が49.5%となった。
「企業価値の見方が変わってきているため」や「AIが進歩しても人が主役になる場面が増えると思うから」などの声も
Q3で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q4.Q3で回答した以外に、人的資本の開示が必要になると思う理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=90)と質問したところ、「企業価値の見方が変わってきているため」や「AIが進歩しても人が主役になる場面が増えると思うから」など52の回答を得られたという。
6割以上経営者が「人的資本の情報開示」への取り組みを既に実施、予定している経営者は25.0%
『Q5.あなたの企業/お勤め先では、「人的資本の情報開示」に取り組んでいますか。』(n=104)と質問したところ、「既に取り組んでいる」が60.6%、「取り組んでいないが、予定している」が25.0%となった。
94.4%が「人的資本の情報開示」への取り組みに課題を実感
Q5で「既に取り組んでいる」「取り組んでいないが、予定している」と回答した人に、「Q6.人的資本開示への取り組みに関して課題を感じていますか。」(n=89)と質問したところ、「非常に感じる」が42.7%、「やや感じる」が51.7%となった。
課題として、半数以上が「具体的な進め方がわからない」と回答
Q6で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した人に、「Q7.人的資本開示の取り組みにおける課題を教えてください。(複数回答)」(n=84)と質問したところ、「具体的な進め方がわからない」が53.6%、「社内データの集め方がわからない」が45.2%、「手探り状態で正解がわからない」が42.9%となった。
「効果的な方法がわかりにくい」や「同業他社の取り組みがわかりにくい」などの悩みも
Q7で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q8.Q7で回答した以外に、人的資本開示の取り組みにおける課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=84)と質問したところ、「効果的な方法がわかりにくい」や「同業他社の取り組みがわかりにくい」など48の回答を得られたという。
7割以上が「自社のみのリソースでは人的資本の開示が難しい」と回答
「Q9.自社のみのリソースで人的資本の開示をすることは難しいと思いますか。」(n=104)と質問したところ、「非常にそう思う」が33.6%、「ややそう思う」が38.5%となった。
96.0%から「人的資本開示までの流れやルール・指標の設定を外部に支援してほしい」との声
Q9で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人に、「Q10.今後人的資本開示までの流れやルール・指標の設定を外部に支援をしてもらいたいと思いますか。」(n=75)と質問したところ、「非常にそう思う」が45.3%、「ややそう思う」が50.7%となった。
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