リンクアンドモチベーションは、機関投資家100名を対象とした「非財務資本の開示に関する意識調査」の結果を公開した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査の方法:インターネットによるアンケート
- 調査の対象:調査会社パネルの「機関投資家、バイサイドアナリスト」を対象
- 有効回答数:100件
- 調査実施日:2022年3月8日〜10日
- 調査主体:リンクアンドモチベーション
企業の非財務資本の開示状況に満足している投資家は3割 「人的資本」の開示求める声が多数
企業の非財務資本の開示状況に満足しているか尋ねたところ、「非常に満足」(6%)と「満足」(23%)を合わせ、満足している投資家は全体の3割であった。
また、非財務資本の中で、今後より開示が必要だと思う項目については、エンゲージメントやダイバーシティ&インクルージョン、人材開発を含む「人的資本」が70%で最も高く、次いで特許や著作権、ソフトウェア、権利などの知的財産権を含む「知的資本」(62%)が続いた。近年注目を集める気候変動対策を含む「自然資本」(29%)を大きく上回る結果から、人的資本への注目度の高さがうかがえる。
投資家の7割が、人的資本は「投資判断に影響を与えている」と回答
人的資本が企業の成長に影響を与えるか尋ねたところ、「はい」と回答した投資家は8割を超えた。また、人的資本が投資判断にどれくらい影響を与えるか質問したところ、「とても影響する」(31%)と「まあ影響する」(38%)を合わせ約7割の投資家が、人的資本が投資判断に影響することを認めている。
開示求める人的資本の項目では「ダイバーシティ、生産性、エンゲージメント」が上位に
開示が必要だと思う人的資本の項目について尋ねたところ、全体では「ダイバーシティ」(51%)、「人件費や採用コスト」(46%)、「生産性」(43%)、「エンゲージメント等の組織文化」(41%)という結果になった。
年代別に見ると、30代の投資家は「エンゲージメント等の組織文化」(58%)が最も高く、50代の投資家は「ダイバーシティ」(53%)や「人材開発を含むスキルと能力」(50%)を重視するという結果になった。
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