アデコは、「育休取得に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査対象:日本全国の企業や団体で働く30代男性(共働き、未就学児の子どもがいる)
- サンプル数:600名(30歳~39歳の男性)
- 調査会社:楽天インサイト
- 調査方法:インターネット調査
- 実施時期:2022年9月20日~22日
男性社員向けの育休制度の導入:半数以上が導入されていたが、利用しなかった
勤務先での育休制度や育児支援制度の利用状況について質問したところ、育休制度(育児休業や育児休暇)については、約3割が「制度が導入されていて、利用した」と回答した一方で、「導入されているが、利用しなかった」という回答が52.3%と、半数以上が利用していないことが分かった。また、「育児理由のリモートワーク」については、導入していないという回答が52.7%と、制度自体の導入が進んでいないことも分かった。
男性育休制度があっても、5割超は使わなかったと回答
前問で、「育休制度が導入されていない」と回答した76名を対象に、育休制度があった場合にその制度を使ったと思うかを質問したところ、過半数を超える55.3%が「使わなかったと思う」と回答した。
また、「使わなかったと思う」理由について聞いたところ、最も多かった回答が「収入が減るから(38.1%)」といった経済面に関する回答だった。次いで、「業務が回らなくなるから(35.7%)」「周囲に迷惑がかかると思うから(28.6%)」と仕事や周囲への影響を気にする様子がうかがえた。
適当だと思う育休期間:「2ヶ月未満」が約半数
男性社員向けの育休として適当な期間について質問したところ、「1~2ヶ月未満」が19.7%と最も多かった。続いて「2週間~1ヶ月未満」が16.3%となり、1ヶ月前後の期間が適当という回答が多い結果となった。また、約半数の51%が、「2ヶ月未満」の期間を回答。その一方で、「6ヶ月~1年未満」(13.7%)、「1年以上」(12.2%)と6ヶ月以上の期間を適当とする回答も2割以上あった。
約7割が、上司と育児支援制度について話し合う機会がない
勤務先で、上司と育児支援制度について話し合う機会があるかについて聞いたところ、「ある(33.7%)」に対して「ない(66.3%)」で、約7割が話し合う機会がないと回答した。制度の導入が進んでも、実際に利用するかどうかは企業文化や上司からの後押しといったような、取得しやすい職場の雰囲気が作用する部分も大きいため、仕事以外の話題についても上司と対話できる機会があると、今後の取得拡大にもつながることが期待できる。
約半数が、「家事・育児が理由で、昇進評価に影響がある」と感じている
「家事・育児が理由で、昇進評価に影響があると感じることがあるか」という質問をしたところ、「とてもあると思う(10.3%)」「ややあると思う(38.2%)」が合計48.5%と、約半数の男性会社員が影響あると感じていると回答した。
本来、人事評価には全く関係がないはずのものだが、「制度を使わなかったと思う理由」の中にも「周囲の目や反応が気になる」「上司や会社からの評価が下がると思う」という回答があり、誤った認識が制度取得を躊躇させる様子がうかがえる。
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