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特別寄稿《人材活用》| 業務委託の積極活用

働く人の3分の1が業務委託のHajimari、社内で解決できないことがあればすぐ依頼で成長

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 2023年、コロナ禍やDXの進化、ライフスタイルの多様化により、現代のビジネスシーンは複雑で予測ができないVUCA時代(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)ともいわれている。企業は変わりゆく消費者行動に合わせ、常に新しい取り組みや新規事業を作り出すことを求められている。また、多様化する働き方に適応した新たなマネジメントシステムの構築や、人材獲得チャネルの創出も必要になっている。本稿では、VUCA時代に企業が成長し続けていくための選択肢として「業務委託活用」を考えていく。

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高い専門性を持つ人材を確保するもう1つの方法

 帝国データバンクの調査[1]によると、2023年1月時点で正社員が「不足」と感じている企業は51.7%と、深刻な人材不足の様子が明らかになった。人材不足を理由に倒産する企業も2019年以来3年ぶりに増加。2023年には賃上げの波もあり、企業は人材流出を防ぐ目的で賃上げに踏み切るなど、優秀な人材を確保することは難化を続けている。

 こうした人材不足を解消する手段の1つとして、正社員採用と並行し、業務委託人材を活用することが挙げられる。IT・人事・マーケティング・経理財務など各分野において高い専門性を持つ業務委託人材をうまく活用すれば、企業の成長を加速できる。

[1]: 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2023年1月)」より。

業務委託活用で企業成長を実現

 フリーランスと企業のマッチングサービスを中心に事業を展開するHajimariは、創業当時から業務委託を積極的に活用し、創業から8年間で、現在8事業を展開するまで成長した。

 Hajimariの起業時、代表でありながら財務・管理部門の知識を持っていなかった私は、社外CFOのポジションで業務委託人材を起用した。彼の活躍により、合計10億円以上の資金調達に成功し、現在まで続く管理体制の礎をつくることができた。その他、総務・労務・財務部門の実務担当者も業務委託のスペシャリストを活用し、組織規模に合わせた経営体制の整備が実現できている。

 また、事業のマーケティング責任者にも、元大手SEO企業執行役員である業務委託人材を活用している。変化の激しいマーケティング手法・トレンドに対応できるようなマーケティング部門を組織すべく、専門知識をもつ業務委託人材を中心に組織改革を行った。その結果、伸び悩んでいた事業部の売上は昨対比180%の成長に成功している。

 現在では、事業立ち上げ・エンジニア・マーケター・経理財務など、常時60名ほどの業務委託が活躍中だ[2]。社内で経営課題を並べ「社内で解決できない」と判断したものは、すぐに業務委託に依頼するようにしている。

[2]: 社員数は128名(2022年11月時点、正社員・インターンのみ)。

 まれに「社内の重要なポジションも業務委託に任せるのはなんとなく抵抗がある」という声を耳にするが、会社を運営するうえでの最優先事項は「なんとなくの抵抗感」よりも、「事業・組織が良い方向に進む」ことなのではないだろうか。そのための手段を分け隔てなく考えた結果、Hajimariは業務委託を積極的に活用する今のスタイルに至った。

 企業によっては、急に業務委託活用を積極化することが難しいかもしれない。その場合には、事業責任者(正社員)や各種専門領域の責任者(CTO・CFO・CHROなど)に、その領域に関する知見を提供する「社外メンター」として業務委託を導入する方法がお勧めだ。業務委託の持つ豊富な知見・経験を社内に蓄積し、各責任者に引き継ぐことができるため、事業成長と幹部育成を同時に進められる。

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この記事の著者

木村 直人(キムラ ナオト)

早稲田大学卒業後、大手損害保険会社を経て、株式会社アトラエ入社。成功報酬型求人サイト「Green」の立ち上げから関わり、仕組みを作る。その後人材系のベンチャー企業に参画し、取締役COOに就任。新規事業としてIT分野のプロフェッショナル人材を活用する「ITプロパートナーズ事業」を立ち上げる。2015年...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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