乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を運営するヴァル研究所は、人事・総務担当者を対象に、業務効率化におけるDX推進の実態について調査した。
調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2023年2月10日~2月12日
- 調査対象:従業員数300名以上の企業に勤める人事・総務担当者
- 対象地域:東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪
- スクリーニング:通勤手当業務を担当したことがある方
- 有効回答者数:789名
- 調査方法:インターネット調査
- 調査機関:ゼネラルリサーチ株式会社
力を入れたい業務は「人材育成」と「コスト削減」
「今後力を入れていきたい業務を教えてください」と質問したところ、半数以上が「社員教育・人材育成」55.8%、「コスト削減」55.4%と回答し、次いで「採用」41.7%という結果となった。人材にまつわる業務への関心の高さと同時に、無駄を省いて効率化を推進したいという側面もうかがえる。
「社員を対象とした管理・庶務業務」に手間と労力を費やしている
「人事・総務業務の中で、効率化したい煩雑な業務を教えてください」と聞いたところ、「勤怠管理業務」の66.2%が最も多く、次いで「労務業務」63.8%、「通勤交通費手当業務」61.1%、「庶務業務」54.4%と続いた。
また、「効率化したい煩雑な業務に毎月合計どれくらいの時間を割いていますか」との質問には、「20時間程度」22.8%、「30時間程度」16.6%、「16時間程度」13.2%という結果となった。「100時間以上」も6.7%となっている。人事・総務担当者が「社員を対象とした管理・庶務業務」に手間と労力を費やしていることが分かる。
業務を煩雑で非効率にする要因は「紙ベース」と「社員とのやり取り」
「煩雑で時間を要している業務の要因として考えられるものを教えてください」と質問したところ、「紙ベースの業務フロー」50.7%、「社員とのやり取りに時間が割かれる」50.2%、「ミス防止のチェック作業に時間が割かれる」49.7%という回答が上位となった。アナログな職場環境は業務を煩雑にし、非効率にする要因になっているようだ。
6割以上がDX推進により月12時間以上の業務を削減できた
「現在DX推進できていると感じる業務を教えてください」という質問には、「勤怠管理業務」42.3%が最も多く、次いで「通勤交通費手当業務」39.4%、「労務業務」39.0%、「庶務業務」32.5%と続いた。1~4位までの回答が「効率化したい煩雑な業務」と同じ項目となる。
また、DX推進できている業務を回答した人へ「DX前と比べて毎月合計どの程度時間を削減できたと感じますか」と質問したところ、半数以上が月12時間以上と回答しており、人事・総務部門もDX推進によって、時間のかかる業務の効率化を図っている様子だ。
DX推進により正確性や業務効率の向上など多角的なメリットを感じている
「DX推進によって得られるメリットについてあてはまると思うものを教えてください」と聞いたところ、「正確性の向上(ミスが減る)」70.2%、「生産性・業務効率の向上」66.8%、「人件費削減」57.7%、という回答となった。DX推進によって「時間の削減」だけでなく、「業務の質の向上」や「コスト削減」など多角的なメリットを感じていることが分かる。
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