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人事労務担当者のための職場トラブルのトリセツ | #1

職場のセカンドハラスメントはなぜ起こる? 3つの事例と2つの防止策

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 セカンドハラスメントとは、ハラスメントの被害者がその被害を報告した際に、相談した相手から受ける、2次的なハラスメントのことをいいます。職場でもよく起こるトラブルの1つで、被害者を休職や退職に追い込むリスクがあり、人事労務担当者には早急な対策が求められています。本記事ではセカンドハラスメントが起こる背景と事例、防止のための取り組みについて、『職場問題グレーゾーンのトリセツ』の著者で社労士の村井真子氏が解説します。

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セカンドハラスメントはなぜ起こるのか

 セカンドハラスメントとは、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントといったハラスメント行為の被害を受けた人が、その事実を第三者に相談した際に受ける、2次的なハラスメントのことです。

 セカンドハラスメントの最大の特徴は、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどに比べて、加害意識を持っていない加害者が多いことです。セカンドハラスメントの加害者の中には、かつては自身が被害を受けた経験を持ち、「自分も耐えてきた」という意識がある人も少なくありません。だからこそ、過去の傷ついた自分を守るために「その程度のこと」と相談者の傷を矮小化しようとするケースが見られるのです。この心の動きは、心理学的には防衛機制という名前で知られています。

 しかし、被害者はハラスメント行為を打ち明ける時点で、そのときに感じた「苦しみ」「つらさ」を思い出すことになります。とくに、社内に改善を求めたい場合には、被害状況を明らかにし、具体的に事実を列挙しながら相談することが求められ、心理的負担が大きい状況に置かれます。そのような心理状況にある相談者に対し、相談を受けた人がハラスメント行為を軽んじたり、被害者にも過失があるような言い方をしたりすることは、無意識であったとしても、二重に相談者を傷つけることになります。場合によっては、セカンドハラスメントが原因で被害者を休職や退職へ追い込むことにもなりかねません。

 現在、パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)により、企業は「パワハラに関する相談窓口の設置や研修を行うこと」を定められており、男女雇用機会均等法でも同様にセクハラに関する相談窓口を設けることを義務付けられています。窓口を社外に委託する企業もありますが、社内に窓口を設けることが一般的です。仮に前者であっても、相談の1次対応は上司や社内の人間が行うケースがほとんどでしょう。

 だからこそ、セカンドハラスメントについての意識を社内で持ち、適切に対策することは企業にとって非常に重要なことなのです。

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この記事の著者

村井 真子(ムライ マサコ)

社会保険労務士、キャリアコンサルタント。家業である総合士業事務所で経験を積み、2014 年、愛知県豊橋市にて独立開業。中小企業庁、労働局、年金事務所等での行政協力業務を経験。あいち産業振興機構外部専門家。地方中小企業の企業理念を人事育成に落とし込んだ人事評価制度の構築、組織設計が強み。現在の関与先 ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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