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インタビュー《人事のキャリア》| CHROがたどった道

ファーストリテイリング時代に最年少人事部長を拝命 柳井社長から授かった人材マネジメントの真理

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 人事未経験にもかかわらず、ファーストリテイリングから人事として入社を打診され、その1年半後に最年少の32歳で人事部長に抜擢された経歴を持つ、株式会社リブ・コンサルティング CHROの武山慎吾氏。本記事の前編では、ファーストリテイリング在任中に進めてきた大きな2つの柱となる施策について語っていただいた。この後編では、ファーストリテイリングの柳井正社長から学んだ教えと、それを現在どのように活かしているのかについて尋ねた。

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柳井社長から学んだマネジメントで大事なこと

——前編では、ファーストリテイリングに在任した5年間に取り組まれた施策として、グローバル人材の育成やグローバル全体でのタレントマネジメントの仕組みづくり、そして有明プロジェクトである本社の組織構造改革について伺ってきました。改めて当時を振り返り、柳井社長の近くで学んだことや印象に残っている教えには何がありますか。

 本当に多くのことを学びましたが、ここでは柳井社長の人間観につながるお話をさせていただきます。柳井社長は、あらゆる場面で「本来、人間はもっとできることや、やれることがあるはずなのに、ほとんどの人間は自分の才能に蓋をしている。才能を出し切れておらずもったいない」とおっしゃっていたことが印象に残っています。

 これは、自ら才能に蓋をしてしまうこともあれば、上司部下の関係で起きることもあります。たとえば上司は、部下に対して自分よりも才能がある、自分よりも実力があると思わずに「頑張って110点を目指そう」と目標を与えてしまうケースです。本来、部下は150点を目指せる実力があるにもかかわらず、上司本人が130点のために自分よりも上を目指せると思っていないのです。そういったことは日本企業特有の年功序列の組織で実際に起きています。

 このように周りから「ダメ、できない」と言われたり、あるいは自ら失敗を怖れたり、失敗が恥ずかしいと思ったりと、さまざまな理由で自分の可能性に蓋をしてしまう。しかしそうではなく、「本当はもっと自分はできるんじゃないか」という発想でチャレンジすることや、周りに主張していくことが大事です。

 一方、会社や上司は「部下は自分よりも優秀かもしれない。将来、社長になる人間なのかもしれない」という前提で人のポテンシャルや才能を信じ、伸ばしていく必要があります。そうしなければ、優秀な人であればあるほど違うフィールドを求めて離職してしまうでしょう。

武山 慎吾氏

武山 慎吾(たけやま しんご)氏

株式会社リブ・コンサルティング 執行役員CHRO

2008年に東京大学経済学部を卒業、三菱商事、ボストン・コンサルティング・グループを経て、2017年にファーストリテイリングに入社。同社の人事部長としてグローバル本社の組織構造改革、人事制度企画、経営人材育成等をリード。その後、IT系ベンチャー企業の人事責任者を経て、2022年11月にリブ・コンサルティングにCHROとして参画。

——おっしゃるとおり、自分よりも経験が浅い分、上司は未熟な存在という前提で部下に接してしまうことはありそうです。

 そうですね。自分の立場がどんどん上がり、部下や後輩から教えやアドバイスを乞われる立場になると、自分よりも下という前提で接してしまうことはあると思うんです。でも、それは経験の差であって、知らないことを上司に聞くことは当然です。しかし、教える側が相手は自分よりも優秀かもしれないという気持ちでいなければ、部下はいつまでたっても「自分は未熟だ。上司と比べて、自分は優秀じゃないんだ」と自分の才能に蓋をすることになります。

 それよりも、上司は「あなたはもっとすごいんだよ。あなたならできるでしょう」という姿勢でいるほうが、部下は成長していく。会社全体でそういった風土があれば組織の強さにもつながります。それは柳井社長から学んだことであり、私自身も最近よく考えていることです。

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この記事の著者

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 優子(ヤマダ ユウコ)

神奈川出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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