ラーニングエージェンシーおよびラーニングイノベーション総合研究所は、484名の管理職を対象に「管理職意識調査」を実施。そのうち「部下へのフィードバックの実態」に関する分析結果を公表した。
【調査概要】
- 調査対象者:同社が提供する管理職向け研修の受講者
- 調査時期:2023年6月19日~8月31日
- 調査方法:Web・マークシート記入式でのアンケート調査
- サンプル数:484人
近年の管理職はプレイヤーとマネジメントの二足のわらじを履きながら、ビジネス環境や社会情勢の変化に臨機応変に対応をすることが求められ、役割は複雑化・高度化しているといわれる。中でも、人材の定着や、多様化する人材の育成といったマネジメントの取り組みは難易度が増しており、多くの管理職の悩みとなっているという。
また、ラーニングエージェンシーが2023年に実施した調査[1]では、人事担当者が最も注力して取り組みたい育成対象として「既任管理職」が最上位になるなど、いま多くの企業が管理職の強化を必要不可欠と考えている。
注
[1]: ラーニングエージェンシー「人事部の実態調査(社員の育成編)」
こうした点を背景として調査を実施したところ、以下のような結果を得たと同社は伝えている。
Q. 管理職としてどのようなお悩みをお持ちですか(複数回答)
管理職としての悩み、半数以上が「部下育成」と回答し最多の結果になった。
なお、以前同社で実施した人事担当者向けの調査結果[2]でも、人事担当者が抱く管理職の課題として「部下育成」が最も多かったが、管理職自身も同様の悩みを抱えていることが明らかとなった。
注
[2]: ラーニングエージェンシー「人事部の実態調査(社員の育成編)」
Q. フィードバックのために、部下の態度・ふるまい・発言などを普段から気に留めるようにしていますか(単一回答)
9割以上の管理職が、部下の態度・ふるまい・発言などを普段から気に留めていると回答した。
Q. 部下のことをどの程度理解していますか(複数回答)
部下の現状の業務領域や改善すべき課題は、半数以上の管理職が把握しているとした一方、キャリア思考や業務に関わるプライベートの状況まで把握している管理職は2割以下で、部下の将来のことやプライベートの状況までは踏み込んでいない実態が明らかになった。
Q. 部下の課題を感じる場面はどのような場面ですか(複数回答)
部下の課題を感じる場面、6割以上が「部下の業務の進め方など行動面を見たとき」と回答した。
Q. 部下にフィードバックをする際、どのような気持ちで臨みますか(複数回答)
フィードバックする際、7割以上の管理職が「部下に成長してもらいたい」と願っている。
Q. あなたは部下にフィードバックすることを躊躇したことがありますか(単一回答)
約6割の管理職がフィードバックを躊躇すると回答した。
Q. (前問で「はい」と回答した方へ)躊躇した理由は何ですか(複数回答)
躊躇する理由としては、「部下の反応が不安」「適切な伝え方がわからない」ことが上位となった。
Q. 部下を評価する際、評価社として自身の課題は何だと思いますか(複数回答)
部下への評価に対する自身の課題「ひとりひとり十分に時間をとることができていない」がトップになった。
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