ラーニングエージェンシーは、同社のラーニングイノベーション総合研究所にて、新入社員を対象に入社前後のギャップに関する意識調査を行った。
約7割の新人が「生活リズム・社会人としての考え方の習得」にギャップ
社会人1年目の新入社員（以下、新人）に対し、9つの項目について、入社前後にギャップを感じたか質問した。その結果、すべての項目で約6割の新人が何らかのギャップを感じていることが分かった。とくに、「生活リズムや社会人としての考え方（顧客志向・当事者意識など）の習得」は約7割の新人がギャップを感じており、最大の割合となっている。次に「仕事の難易度」（65.6％）、「上司への悩み相談」（65.3％）が続く。
ポジティブなギャップは「上司とのコミュニケーション」が最多
ポジティブなギャップの回答を抽出したところ、「上司とのコミュニケーション」が最も高く、30.3％の新人が「想定よりもとてもフランクで話しやすい・フランクで話しやすい」と回答した。次に、26.7％が「上司からの仕事のアドバイス」を「とても細やか・やや細やか」と回答。「上司からのスキルアップのサポート」は、24.6％が「想定よりとてもサポートしてもらえる・サポートしてもらえる」と回答している。上位3項目が上司との関わりによる項目となったことから、上司と良い関係を築けていることをポジティブに捉えている新人が多いことが分かる
次に、ネガティブに感じる回答を抽出したところ、「生活リズムや社会人としての考え方（顧客志向・当事者意識など）の習得」を「想定よりもとても難しい・やや難しい」と回答した割合が47.4％となった。次いで「仕事の難易度」を「想定よりもとても難しい・やや難しい」と回答した割合が47.3％、「仕事の量」を「想定していたよりもとても多い・やや多い」と回答した割合が45.4％と続く。学生と社会人の違いや社会人として初めて取り組む仕事の量や難易度について、ネガティブなギャップを感じる新人が多いことが分かる。
上司との関係性をネガティブに感じた新人は離職意向が高まる傾向
最後に、「上司との関係性」に焦点を当てて、ギャップへの感じ方を調べた。
まずは、上司との関係性をポジティブに感じた新人の回答傾向を見たところ、「上司とのコミュニケーション」では、64.2％が「安心した」と回答している。
「上司からの仕事のアドバイス」を想定よりももらえたと感じた新人は、49.3％が「安心した」、31.3％が「嬉しいと思った」「成長の機会と感じた」と回答した。業務上における上司との関係では、安堵やうれしさだけではなく、「成長しよう」という意思につながっていることが見てとれる。
上司との関係性をネガティブに捉えた新人の回答傾向を見たところ、「上司とのコミュニケーション」を想定よりも話しにくいと感じた新人は、「会社を辞めたくなった」と回答する割合が23.9％と最大の割合となった。「上司からの仕事のアドバイス」「上司からスキルアップのサポート」も同様に、「会社を辞めたくなった」が26.8％、23.9％となり、他項目と大差をつける結果となった。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査対象者：22～34歳の社会人1年目である就労者
- 調査時期：2023年8月2日～7日
- 調査方法：調査会社によるインターネット調査
- サンプル数：300人
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