カオナビは、「人的資本ラウンドテーブル」を11月28日に開催。同日にリリースした「人的資本データnavi β版」の紹介や体験会などを行った。
最初に、執行役員である平松氏が同社のプロダクト「kaonavi」について説明。今年リリースした「ポジションマッチング」や「人的資本テンプレート」の2つの新機能を紹介した。
また、人的資本の取り組みに関しては、2019年に上場しているため情報開示の義務がある同社。
「人的資本テンプレート機能をつかって、開示内容のダッシュボードはすぐに作成できました。しかし、そこに表示された数字が良いのか悪いのかは、他社の数字と比較しないと分からないと感じました」(平松氏)
そして、この体験をもとに開発したのが人的資本データnavi β版だと紹介。2023年3月期決算の上場企業のうち、2023年7月31日までに開示された2329社の有価証券方報告書をもとにしたデータベースで、多様性に関する3指標などの平均値を算出するほか、実績数値を棒グラフで表示できる。
次に、開発者の吉田氏がデモンストレーションを行いながら使い方を説明した。同サービスは各項目のグラフと、データ一覧の2つの機能に分かれており、グラフは従業員数別・業種別・エリア別などをかけ合わせて、絞り込みや指定項目の並び替えが可能だという。そのため、企業規模や同業種といった自社に近い企業の傾向を確認できると述べた。
最後に、カオナビHRテクノロジー総研所長の内田氏が、人的資本データnaviを使って読み取れる情報の例を紹介。「男女の賃金の差異」や「男性育休取得率」といった項目で企業規模や地域別に差が見られたと解説した。
「こういった分析は難しいと思われるかもしれないが、人的資本データnavi β版が最も想定している使い方は、他社の開示情報のリサーチです。自社の開示項目や目標数値を決める際には、他社の情報を調べる必要があります。これを使えば、企業のサイトへ行って1つひとつ資料をダウンロードしたり、数値を探して表にまとめたりといった作業が不要になりますし、使うのも難しくありません」(内田氏)
内田氏はこのように述べ、まずは企業の開示内容や自社目標の検討に人的資本データnavi β版を使ってほしいと呼びかけた。
なお、人的資本データnavi β版は初年度のデータに限って一般公開され、カオナビのユーザーにかかわらず利用できるようになるという。一般公開は2024年1月を予定している。
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