リクルートの研究機関「就職みらい研究所」は、新入社員の入社後の配属に関する調査を実施した。
新入社員へ配属先を伝達するのは、入社前までが6割
新入社員への配属先伝達時期について、内定承諾前までが34.6%、内定承諾後から入社前が24.4%、入社時以降が41.1%という結果になった。
また、内定承諾前に配属先を確約する際の課題としては、「希望が集中した場合の対応」「学生に合っているか見極めるのが難しい」などに加え、「各部署との連携や望まれる人材の提案など、すり合わせが困難」「入社までの期間が空いているため、要員の状況が変化する」など企業内での調整の難しさが挙げられた。さらに、「希望と合っていない時に入社辞退がある」といった確約内容が希望と異なる場合に、内定辞退につながるのではないかという懸念の声も寄せられた。
これらの回答がよせられた背景には、「内定承諾前の配属先の確約」を、「学生が希望する部署への配属」を前提とした採用選考ではなく、「企業の人員充足観点での配属」だと想定して回答した企業も一定数存在することが推察できると同社は述べている。
半数以上が、新入社員の配属方法に課題を感じている
配属に関する制度の変更や、従来のやり方を見直す必要性を感じている企業は、半数以上(51.8%)であった。そのうち、やり方の見直しができていない企業は50.4%。見直しが必要と感じる理由として、「個人に合った配置の見直しができておらず、離職率の高さに繋がっている」など、離職率の高さを懸念する声が多く寄せられた。
さらに、見直し状況別に取り組み実施状況を見ると、特に「本人のキャリアや成長の観点での配置理由の説明」「配置理由の説明」「配置の納得感の確認」の実施割合の差が大きい結果になった。また、実施方針については、人員充足の重視は見直し状況に関わらず高い割合となったが、本人の希望や事情の重視など、他の項目では差が目立った。
なお、24卒の採用活動全体の満足度は、見直しできている企業の方が高く、未着手の企業と比べ30ポイント以上の差が開いた。
同調査の概要は次のとおり。なお、詳細は同社のプレスリリースより確認できる。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国の従業員規模100人以上かつ24卒の新入社員(正社員)の入社予定数が1人以上の企業に勤める新卒採用に関与している人事部門担当者
- 有効回答数:812人
- 調査実施期間:2月16日~19日
- 調査機関:就職みらい研究所
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