インタツアーは、25~27卒学生を対象とした「『配属ガチャ』についての意識調査」を実施し、その結果を発表した。
「内定式までに配属先を知りたい」学生は8割近くに上る
設問1では、配属先を告知されるタイミングについて希望を聞いた。最も回答が多かったのは「内定通知~内定式」(65.1%)だった。以下、「内定式後~入社式」(16.7%)、「入社研修の間」(3.8%)が続き、入社までのスケジュールで後になるほど希望者が減少。「希望無し」はわずか2.6%となった。
一方で、「事前にわからないとエントリーしない」は11.8%と1割以上存在している。内定式までに配属先を知りたい学生は合計76.9%と8割近くに及び、より早期に配属先を知りたいという希望が強いことが分かる。対比となる企業側の配属通知時期については具体的なデータはないが、内定式後、あるいは入社後に配属先を示すのが一般的とみられ、学生の感覚とのギャップが大きいと考えられる。
6割以上の学生が「配属先を知る時期が遅いと辞退を検討する」
設問2では、配属先の告知が希望の時期よりも遅い場合に、辞退などを検討する要因となるかどうか、志望度に与える影響を聞いた。「内定承諾保留や内定辞退の要因になる」と答えた学生は29.9%で、「内定辞退を検討する要因になる」(31.1%)と合わせて6割以上の学生が志望度に影響を受けると回答した。
この回答を、設問1とクロス集計をすると、より傾向ははっきりとする。「内定式までに配属先を知りたい(内定通知~内定式)」学生だけを見ると、「内定承諾保留や内定辞退の要因になる」(33.9%)、「内定辞退を検討する要因になる」(35.6%)、合計69.5%とほぼ7割の学生が志望度に影響を受けると回答。売り手市場の影響を受けて内定承諾後でも辞退する学生が増加しており、配属先の告知時期は最終的な入社の決断要因となり得ることが分かる。
「希望の勤務地でなければ辞退する」学生は43.0% 地域限定社員に関心約6割
設問3では勤務地についての考え方を聞いた。「希望の勤務地でなければ辞退する」が43.0%を占め、勤務地が入社企業選びの大きな軸の一つとなっていることがうかがえる。
また、設問4では勤務地を限定できる「地域限定社員」についてどう思うかを聞いた。地域限定社員に「エントリーする可能性がある」(30.1%)、「興味がある」(29.6%)と前向きな反応が6割近くとなった。その一方で「地域限定社員については知らない」と答えた学生も約2割存在し、こうした雇用制度についてはまだ認知が拡大している途上と考えられる。
「希望の部署・職種でなければ辞退する」学生は36.0% ジョブ型雇用に関心5割以上
設問5では企業選びの際の部署や職種についての考えを聞いた。「希望の部署・職種でなければ辞退する」と回答した学生は36.0%で、設問3の勤務地についての回答と比較すると、部署・職種についてのこだわり度は低い結果となった。
また、設問6では職種を限定できる「ジョブ型雇用」についてどう思うかを聞いた。「ジョブ型雇用にエントリーする可能性がある」(24.2%)、「ジョブ型雇用に興味がある」(30.6%)となり、ジョブ型雇用について関心がある学生は5割を超えた。一方、「ジョブ型雇用については知らない」と答えた学生も31.2%に上り、学生の選択肢としてはいまだ拡大の途上であると考えられる。
なお、同調査の詳しい結果は「インタツアー」サービスサイトからダウンロードできる。
同調査の概要は次のとおり。
- 調査対象者:25・26・27卒大学生
- 調査母数:2万3514名(文系学生2万2038名、理系学生1476名)
- 回答数:958名
- 調査方法:「インタツアー」マイページまたはSNS経由によるWebアンケート
- 調査期間:2024年1月22~31日
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