マイナビは、全国15歳以上の1万4000人を対象に、就業・非就業や雇用形態に関わらず、現在のキャリアと生活の実態や変化を調査した「マイナビ ライフキャリア実態調査2024年(働き方・キャリア編)」を発表した。
正社員の中で、最もストレスを感じているのは「課長級」
正社員に対し、職場で仕事上のストレスを感じているかを聞いたところ、「あてはまる」「ややあてはまる」の合計が最も多かったのは、「課長級」で54.5%となった。次いで、「主任級以下」が51.6%、「部長級」が49.7%と続いた。
勤務実態を見ると、週の勤務時間が40時間を超える人の割合は、「部長級」は45.7%、「課長級」は45.1%、「主任級以下」は24.8%となった。週40時間超え勤務をする管理職は、非管理職の約1.8倍という結果となった。
また、「常に忙しく多くの仕事をしていた」と回答した割合を見ても、「部長級」は61.9%、「課長級」は53.8%と高く、「主任級以下」の41.5%よりも多忙な様子がうかがえる。
次に、管理職が仕事で感じたことについて、「課長級」は「職場での意見の取り入れられやすさ」が43.7%で、「部長級」の62.9%を下回った。そのほか、「職場での人間関係の満足度」(課長級:40.4%、部長級:52.3%)、「職場に自分が成長するよう励ましてくれる人がいる」(課長職:40.2%、部長職:54.1%)においても、「部長級」と比較して「課長級」は10ポイント以上低い結果となった。
年代が上がるほど、「昇進したくない」割合が増加
正社員で現在役職がない人の今後の昇進意欲を見たところ、男女ともに年代が上がるほど意欲が低下し、男性40代・女性30代で「昇進したくない」が「昇進したい」を上回った。
「昇進したくない」と答えた人の理由は、「責任が重くなるため」が49.2%と最も多く、次いで「自分には向いていないため」が39.8%、「メリットが感じられないため」が38.1%、「家庭との両立が困難だから」が16.7%と続いた。昇進に対して、ネガティブなイメージを持っている人が多いことが分かる。また、「家庭との両立が困難だから」については20・30代の回答率が高く、若い世代ほどライフステージの影響で昇進を避けたいと考える人がいることが分かった。
副業者の約3人に1人は、本職とは異なる業種・職種
副業を行ったことがある人の、本職と副業の職種・業種の組み合わせをみたところ、「職種・業種ともに異なる」が32.7%で最多となり、次いで「職種・業種ともに同じ」が30.2%と続いた。
副業・兼業をしてよかったことを聞いたところ、「職種・業種ともに異なる」人は、「本業とは別のスキルを身に着けることができた」(24.0%)、「人間関係が広がった」(22.5%)が、他の組み合わせと比べて最も多い結果となった。今後の意向についても、「副業を継続したい」と回答したのは、「職種・業種ともに異なる」人が最も高く76.0%となった。収入増加だけでなく、人脈や新たなスキル獲得といった自己成長を実感できたことが、副業のモチベーションにつながっていると同社は述べている。
副業を行っている人のうち、41.3%が生成AIを利用
副業を行っている人のうち、副業の業務で生成AIを利用している人は41.3%だった。本業での利用率の24.1%を17.2ポイント上回った。
副業の年間収入を見ると、生成AIを副業で利用している人は平均119.1万円で、利用していない人の平均62.8万円と比べて約2倍であった。
副業の職種別での生成AI利用率を見ると、「IT関連技術者」(66.4%)が最多となり、次いで「社会福祉・法務・経営専門職業従事者」(49.4%)、「記者・編集者・美術家・デザイナー」(48.9%)と続いた。
また、生成AIの利用目的で多かったのは、「情報収集・調査」(32.9%)、「アイデア出し」(31.6%)、「エクセルなど関数の生成、補助」(29.5%)で、副業業務を効率よく進めるための補助的ツールとして利用していることが分かった。
生成AIを利用した人の副業収入の多さについて、AIを利用しやすい業種の給与水準が高いことも要因として考えられるが、生成AIの活用により限られた時間で効率よく副収入を得ていることが、活用していない人と比べた収入差につながっていると同社は述べている。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査名称:マイナビ ライフキャリア実態調査2024年(働き方・キャリア編)
- 調査期間:2024年4月12日~16日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国15歳以上の男女
- 有効回答数:1万4000名(男性:6766名、女性:7234名)
【関連記事】
・エンゲージメント向上で離職・内定辞退を軽減 社内報アプリ「WORKSTORY」提供—ワークストーリー
・シミュレーション演習で次期管理職を育成 「アセスメントサービス」を提供—マネジメントサービスセンター
・日本のミドル世代、将来のキャリアに「取り組んでいない」が半数 アメリカの6倍の結果に—リクルート調べ