TONOMEは、企業の管理職とメンバーを対象に「マネジメントに対する管理職とメンバーの意識調査」を実施した。
管理職の約9割が、「メンバーの業務把握が重要」だと思っている
日々のマネジメント業務において基本となる「業務把握」について、メンバーの業務状況や進捗状況を把握することは重要だと思うか聞いたところ、「とてもそう思う」(50.0%)、「ややそう思う」(37.0%)となり、管理職の約9割がメンバーの業務把握は重要だと認識していた。
また、「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した人に、その理由を聞いたところ、「納期順守や目標達成のために、必要とされる具体的な指示/アドバイスをするため」が51.0%と最も多く、次いで「メンバーの育成のために、タスクの優先順位や進め方をアドバイスするため」が46.4%、「メンバーの適正な働き方を守るために、業務量が適正か把握するため」が41.0%と続いた。「滞りない業務進行や目標達成」「メンバーの育成」という従来の重要業務に加えて、「業務量の把握」が上位に挙がった結果から、業務把握の目的が多様化していると同社は述べている。
約6割が、メンバーの業務把握を「負担に感じる」
メンバーの業務状況や進捗状況の把握が、心理的もしくは時間的負担になっているか聞いたところ、「とてもそう思う」(18.3%)、「ややそう思う」(41.3%)という結果に。業務把握が重要だと認識している一方で、約6割の管理職が業務把握を負担に感じていることが明らかになった。
さらに、プレイング業務を除いた管理職としての業務(メンバーの業務状況・進捗状況の把握、育成、戦略策定・推進、業務改善、会社への報告業務など)を100%としたとき、「メンバーの業務状況や進捗状況の把握」にかけている割合について聞いたところ、平均時間は業務全体の約3割を占める結果となった。
一方で、業務全体を100%としたときの「プレイング業務」にかけている割合について聞いたところ、プレイング業務に1割以上の時間をかけている管理職が9割という結果になった。管理職の多くが、プレイング業務と管理職業務のバランスを取らなくてはならない状況にあることが分かる。
なお、プレイング業務に8割以上の時間をかけている管理職が15.0%も存在していることが明らかになった。管理職が「業務把握」を負担に感じる背景には、そもそもプレイング業務に多くの時間を取られており、管理職業務に割ける時間が限られていることが要因の1つになっているという。
業務把握に時間を要する理由、1位は「詳細確認とネクストアクションの指示」
メンバーの業務把握に時間がかかる理由を聞いたところ、1位は「メンバーの進捗状況は細かく把握し、次のアクションを指示しているため」(42.2%)、2位は「メンバーの育成のために細かくヒアリングする必要があるため」(30.4%)、3位は「メンバーの業務を把握するツールがなく、都度ヒアリングする必要があるため」(28.7%)という結果になった。
「業務把握が十分にできていないと感じる」は約4割
メンバーの業務状況や進捗状況を満足に把握できているか聞いたところ、「あまり満足に把握できていない」(35.0%)、「満足に把握できていない」(4.7%)と、合わせて約4割が「十分に把握ができていない」と不満を感じていることが分かった。
また、「あまり満足に把握できていない」「満足に把握できていない」と回答した人に、その理由を聞いたところ、「メンバーからの主観的な報告により、客観的な把握が難しいため」が36.1%と最多となった。時間をかけてメンバーの業務を把握しようとするものの、メンバーからの報告の正確性に全幅の信頼を置けず、不満を抱く管理職の姿が浮き彫りになった。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:Webアンケート
- 調査対象:企業で働く管理職(部長、次長、課長)、メンバー(係長、主任、一般)
- 有効回答数:500名(管理職300名、メンバー200名)
- 調査実施日:2024年6月14日~15日
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調査主体:TONOME
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