プラスアルファ・コンサルティングは、同社が提供する「タレントパレット」の導入企業を対象に、人的資本経営に関わる開示状況やその課題、施策の取り組み状況に関する調査を実施した。
人的資本開示に「取り組んでいる企業」は4割
人的資本開示への取り組み状況について、41.4%が「取り込んでいる」と回答し、「これから取り組む予定」を含めると84.6%という結果となった。また、非上場企業のみに着目すると、「既に取り込んでいる」が24.8%、「これから取り組む予定」が52.5%と、上場企業だけではなく非上場企業でも関心が高まっている状況となっている。
取り組む理由は「エンゲージメント向上」が最多
人的資本経営に取り組む理由について、上場企業では、「エンゲージメントの向上」「事業・企業価値の向上」がともに75%と最も多く、次いで「投資家・市場からの要望」が57%と続いた。一方、非上場企業も「エンゲージメントの向上」が最多の86%となり、次いで「企業風土醸成」が66%、「事業・企業価値の向上」「採用力の強化」が同率で62%となった。非上場企業では、特に優秀な人材を惹きつけ、確保することを意識していることがうかがえる。
人的資本指標の開示状況と課題
人的資本指標の開示状況は、「ダイバーシティ(育児)」が40%と最も多く、次いで「ダイバーシティ(性別・雇用区分)」が30%、「健康安全(安全・衛生)」が17%と続いた。また、独自指標の設定・施策に取り組んでいる企業はわずかであり、法定開示項目への対応にとどまっている。
また、開示課題は「活用する指標が定まっていない」が65%と最多となり、次いで「スタッフが不足している」が46%、「経営戦略と人事戦略が連動していない」が41%となっており、多くの企業で人的資本経営の取り組みが道半ばの状況となっている。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:タレントパレット導入企業169社(人事・総務部門・経営企画部門、一般~役員クラス)
-
回答者の属性:
- 上場区分:上場企業(40.2%)、非上場企業(59.8%)
- 企業規模:1000名以上(40.2%)、1000名未満上(59.8%)
- 調査方法:同社アンケートフォーム(Web)で匿名にて実施
【関連記事】
・職場でハラスメント防止対策が実施されているか「分からない」人が4割—労務SEARCH調べ
・障がい者雇用の方針「法令順守」が7割 一方、4社に1社は「戦力化」に方針転換—パーソルダイバース調べ
・DE&Iや組織課題を可視化・分析するサービス「IX診断」9月リリース予定—ケアフィット