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人的資本開示の状況調査を実施 「人材育成方針」などの開示度は高まるも改善余地あり—JMAC

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 日本能率協会コンサルティング(以下、JMAC)は、日経平均株価の採用銘柄225社の、2024年1月期および3月期決算の「有価証券報告書における人的資本情報の開示状況」について調査した。

 レポートの概要は次のとおり。

調査結果サマリー

  • 「女性管理職比率」「男性の育児休業取得率」は前回調査よりも上昇。一方で、「男女の賃金差異」はほぼ変わらない
  • 「人材育成方針」「社内環境整備方針」および「測定可能な指標(インプット/アウトカム)目標および進捗状況」は前回調査よりも開示度が質・量の面で上がっている。ただし、業種・各個社において改善余地が残っている
  • 有価証券報告書における今後の人的資本情報の開示においては、「①体系的で分かりやすい情報開示」「②実施状況および目標達成状況の検証・考察」「③人的資本を起点として“真”の人的資本経営の推進」が求められる

 なお、同調査を受けて、JMACでは次のような提言を行っている。

有価証券報告書における人的資本情報の開示の方向性(提言)

 3月期決算の企業においては、義務化された人的資本情報開示を2回行ったことになる。前回調査から今回調査の変化も踏まえて、今後の有価証券報告書の人事的資本情報の開示について、重要点は次のとおり。

1. 体系的で分かりやすい情報開示

 人的資本情報の開示においては、有価証券報告書だけでなくホームページや統合報告書、人的資本レポートなど複数の発信媒体がある中で、投資家やアナリストがその企業の人的資本への投資状況や人事施策の実施状況が分かりやすいように示すことが求められるという。その際には、各社の情報が分かるように比較可能性と独自性の両面を意識し、指標および目標の設定根拠や、人事戦略の全体観を体系的に示すことが分かりやすさにおいて重要になる。

2. 実施状況および目標達成状況の検証・考察

 3月期決算企業は2回の開示を経て、今後はステークホルダーから計画を実施した後の検証や考察が求められるという。人的情報を開示することによってステークホルダーとの対話を行い、そこから課題を抽出して対策につなげる。また、人的資本方針に沿った人事施策の実施状況や目標の達成度状況を検証して、方針の実行や目標値とのギャップについて考察し、課題を抽出することも重要だという。特に、実際の各職場で何が起こっているかを把握し対策を講じることは、“実”のある人事的資本経営の推進において欠かせないとしている。

3. 人的資本を起点とした真の人的資本経営の推進

 2. の検証・考察を踏まえて、次なる課題解決へのアプローチや人事戦略・人事施策、指標および目標値のブラッシュアップを図る。企業全体のビジョンや経営・事業戦略の変化、中期経営計画のローリング化に合わせて、人事戦略および人事施策もブラッシュアップが求められる。その際には、自社の人的資本をベースに経営・事業戦略をつくっていく発想が重要だという。経営資源の中で重要な人的資本をベースとした経営・事業戦略を立案することが、真に経営・事業戦略と人事戦略の連動につながるだろうと述べている。

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労務管理から戦略人事、日常業務からキャリアパス、HRテクノロジーまで、人事部や人事に関わる皆様に役立つ記事(ノウハウ、事例など)やニュースを提供しています。

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