25卒の採用状況は、24卒よりも約1ヵ月早く進行
新卒採用をめぐって、近年大きく取り沙汰されるテーマの1つが「選考の早期化」です。国が経団連に要請しているルールでは次のようなルールとなっていますが、実態は大きく異なります。
- 広報活動開始卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
- 採用選考活動開始卒業・修了年度の6月1日以降
- 正式な内定日卒業・修了年度の10月1日以降
リクルートがとりまとめた調査結果「就職プロセス調査(2025年卒) 2024年8月1日時点 内定状況」によると、25卒の面接の開始時期や内定・内々定を出す時期は、24年卒と比較して1ヵ月ほど早く推移しており、採用活動の早期化を裏付けています。
また、学生から見ても、春先には「就職内定率が早くも〇%台に」といった形で、多くの就活生が早い段階から内定を獲得している旨が報じられます。
25卒の最新データでは、選考活動開始日として要請されている6月1日には、8割の学生が内定を1つ以上獲得しているようです。
また、進路確定率も10月1日時点で9割を超え、就職を希望する学生全体のうち就職活動を続けている人の割合は9.4%まで落ち込みます。就活生の総数は約40万人と推測されているので、就職活動中の学生は4万人弱だと考えられるでしょう。
さらに、2社以上の内定を保有している内定取得者の割合も例年より2~3ポイント高いことから、企業は内定辞退に対する備えも考えなければなりません。
一方で、8月1日時点では、企業はすでに次年度以降の採用活動の準備を始めている場合も多いです。人事は、時間や人員は減るが、内定者の足りない分を埋めるために、数少ない学生から採用するに足るだけの能力がある人を見つけ出すという非常に難しいことを強いられます。