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別冊 HRzine | 注目のキャリア理論第4世代「サステナブルキャリア」とは

石山先生に聞く新キャリア理論「サステナブルキャリア」とは 人材育成はもっとやりがいのある仕事になる!

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 労働人口の不足や社会環境の変化により、企業は「人材の能力やキャリアをどのように支援し、活躍してもらい、長く働いてもらうか」という命題に直面している。そこで注目したいのが、キャリア理論の第4世代と呼ばれる「サステナブルキャリア」だ。持続可能性がポイントのこの考え方は、従来のキャリア理論とどのように異なるのだろうか。また、企業はサステナブルにおける個人の能力開発をどのように支援するべきなのか。キャリア形成や人的資源管理らを専門に研究し、サステナブルキャリアの重要性を提唱している法政大学の石山恒貴教授に話を伺った。

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仕事に限定せず、「長期的かつ幅広い視点で」キャリアを捉える

——サステナブルキャリアとは、どのようなキャリア理論なのでしょうか。その定義と解釈を教えてください。

 これまでのキャリア理論は、「ワークキャリア」に偏っていました。たとえば、従来のキャリアの考え方では、自己分析と職業分析を行って、マッチする仕事を探すことだけを重視する場合がありました。このような場合、ワークキャリアとして焦点が当たっているのは、特に正社員としてのキャリアを設計して、実行していくことです。

 一方、サステナブルキャリアは、個人の人生を長期的に捉えます。先行研究では「複数の社会空間を越境し、個人の行為主体性に特徴づけられ、個人に意味をもたらす、長期的な時間の経過に伴う多様なパターンを反映したキャリア経験の蓄積[1]と定義されています。

石山 恒貴氏

石山 恒貴(いしやま のぶたか)氏

法政大学大学院 政策創造研究科 教授

博士(政策学)。NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。組織行動論、人的資源管理、越境学習、キャリア形成、タレントマネジメント等が研究領域。日本キャリアデザイン学会副会長、人材育成学会常任理事、Asia Pacific Business Review(Taylor & Francis) Regional Editor等。主な著書:『ゆるい場をつくる人々』『キャリアブレイク』『定年前と定年後の働き方』、『越境学習入門』、『日本企業のタレントマネジメント』、『地域とゆるくつながろう!』等

 人は家庭や友人との空間、市民としての空間など、時によってさまざまな空間に存在します。たとえば、これまではキャリアの「空白」だと捉えられがちだった離職・休職も、サステナブルキャリアでは多様なキャリアパターンの1つとして、有意義なブレイクだと捉えなおすことができます。

 長い間日本で重視されていた、正社員としてのワークキャリアのみに注目するのではなく、長い人生をより幅広い視点で捉えるのが、サステナブルキャリアです。

——サステナブルキャリアを意識することで、個人のキャリア、ひいては人生にどのような影響があるのでしょうか。

 サステナブルキャリアの考え方を取り入れることで、多様な選択肢を考慮したうえで、自分の望むキャリアを選べるようになると思います。

 ワークキャリアだけを考えていると、「仕事が人生のすべて」となり、昇進や昇給ばかりを重視するマッチョイズム的な思考に傾くかもしれません。先ほどのとおり、人生には仕事以外にも多様な空間があります。ボランティアをしたり、大学院に通って学びを楽しんだりすることも、キャリアの楽しみ方の1つ。その中には、仕事だけにまい進することが幸せだという人もいるでしょう。

 また、サステナブルキャリアは、「キャリアショック」の問題を乗り越える鍵にもなります。人生は予測不可能で、突然病気にかかることもありますよね。コントロールできない事態によって、個人が衝撃を受けることを、キャリアショックといいます。

 たとえば、新型コロナウイルスの感染拡大は、個人がどうにもできない予想外の事態でした。反面、リモートワークが浸透するなど良い面もありました。サステナブルキャリアは、こういった予測していない事態が起きても、それをキャリアを捉え直すきっかけとして「長期的に考えるとこういう意義がある」と考えます。

[1]: Van der Heijden and De Vos「Sustainable careers: introductory chapter」(2015)

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社員のサステナブルキャリアを困難にする、企業の「ある側面」とは

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この記事の著者

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)

1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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