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“価値ある”アルムナイコミュニティの在り方を探る | 「DeNA ALUMNI」(DeNA)

アルムナイも人的資本の一部 DeNAが実現する“採用目的だけじゃない”コミュニティ運営の裏側とは

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 人材不足の昨今、アルムナイが採用施策として注目されています。しかし、退職者が企業とつながり続けたくなる場をつくることは容易ではありません。そんな中で、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)のアルムナイコミュニティ「DeNA ALUMNI」は、卒業生と現役社員が交流するだけでなく、起業家と出資者としてつながり事業創出に至るなど、企業と退職者の双方に大きな価値をもたらしています。同社のコミュニティはどのようにして誕生し、なぜ成功しているのでしょうか。自らもソニーの有志アルムナイを立ち上げ、中央大学の客員研究員として企業アルムナイの学術研究に携わる高橋龍征氏が、その裏側をたっぷり伺いました。

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DeNAのアルムナイコミュニティはベンチャーキャピタルと共同運営

高橋龍征氏(以下、高橋):「アルムナイコミュニティ」というと、世間的には「カムバック採用」を主目的に、人事の採用担当者が施策の中の1つとして取り組んでいることが多いと思います。その中で、DeNAさんは会長の南場(智子)さんの旗振りもあって、企業・経営レベルで実施されていると伺いました。

 貴社のアルムナイコミュニティが立ち上がった経緯を教えてください。

八森未央氏(以下、八森):もともと、2015年ごろに有志のメンバーがつくった非公式のFacebookコミュニティがありました。当社の卒業生たちが口コミで集まって、今では1100人以上のグループになっています。

 2020年ごろ、上記とは別にDeNA卒業生ともっとつながりたいという南場からの意見もあって、「卒業生の声を聴くオンラインイベント」を開催するようになりました。

八森 未央氏

八森 未央(はちもり みお)氏

株式会社ディー・エヌ・エー ヒューマンリソース本部 採用戦略部 キャリア採用グループ

広告・エンタメ業界で経験を積んだ後、2018年にDeNAに入社。入社後は欧米向けゲームのローカライズやアプリの宣伝プロモーションを担当。2022年からは人事にキャリアチェンジし、キャリア採用やリファラル採用を担当。現在はキャリア採用、HRBP、DeNA ALUMNIコミュニティ運営に従事している。

 その後、2022年11月に「DeNA ALUMNI(アラムナイ)」というコミュニティとして公式化しました。南場が設立した独立系ベンチャーキャピタルであるデライト・ベンチャーズと共同運営しています。なお、Facebookコミュニティの立ち上げを主導したOBの鈴鹿竜吾さんも、DeNA ALUMNIの共同管理人としてコミュニティの活性化に尽力してくれています。彼自身もDeNAに新卒で入社後、退職してからはライトマップを創業しさまざまな事業を展開されています。このように、DeNA ALUMNIは企業側だけでなく、OB/OG自身が運営の中心を担っている点が大きな特徴です。

加古静香氏(以下、加古):DeNAの卒業生には優秀な起業家がたくさんいます。デライト・ベンチャーズとしては、卒業生が起業する際には応援したいですし、卒業生からのご縁で優秀な起業家と出会いたいという狙いもありました。

 私自身、いろいろなキャリアチェンジがあった末に、DeNAのグループに出戻った経験があります。コロナ禍のオンライン飲み会で「出戻り歓迎だよ」と南場に声をかけてもらって、「ありなのか!」と驚いた記憶があります。

加古 静香氏

加古 静香(かこ しずか)氏

株式会社デライト・ベンチャーズ

京都大学農学部卒業後、コンサルティング会社などを経て、2010年よりDeNAでマーケティングや新規事業立ち上げに携わる。その後、アマゾンジャパン、メルカリにてマーケティングを担当。成長戦略策定とマーケティング施策の実行推進を得意とする。2021年よりデライト・ベンチャーズに参画、起業支援、ベンチャー投資と投資先の成長支援、ファンド広報、DeNAアルムナイコミュニティの立ち上げから運営などを担う。

八森:卒業生も、DeNAを愛してくれる人が多いですね。年間の採用者のうち5~10%ほどが出戻りのメンバーです。卒業生に向けた採用施策は特にやっていないのですが、皆さんWebサイト経由やリファラルで応募してくれます。

高橋:カムバック採用を前面に打ち出し、少なくない予算を投じても年に数人しか採れないアルムナイコミュニティが少なくない中で、相当な成果ですね。

 現在、アルムナイコミュニティの加入率はどれくらいですか。

八森:ここ1~2年では半分くらいの卒業生が加入してくれています。もう少し加入率を上げたいという課題感があるものの、卒業時は退職の手続きで手一杯の方が多いのが現状です。イベントを定期的に開催しているので、それをきっかけに加入したり、周りの口コミなどで加入したりするケースが多いですね。

加古:新しい職場に慣れて、落ち着いてきたタイミングで入ってくるのかもしれないです。

コミュニティ活動ではSlackを活用 特に人気のイベント企画とは

高橋:コミュニティの活動ではどんなコンテンツを提供していらっしゃるのですか。

八森:オンラインでは、デライト・ベンチャーズが用意した「ジョブボード」があります。DeNAとデライト・ベンチャーズ、その出資企業の採用情報をアルムナイのコミュニティ限定で発信しています。

 また、Slackでの交流も盛んです。チャンネルが細かく分かれており、現在は数十のチャンネルが存在します。その中では、「飲んでますよチャンネル(卒業生同士の飲み会や食事会の様子を投稿するチャンネル)」が盛り上がっていますね。Slackというツールを採用したのは、DeNAグループの業務で使い慣れているからです。

高橋:参加者層がふだん使っているツールを選定するのも重要な観点です。また、Slackのように目的や関心別のサブグループをつくると、何を投稿する場なのかが明確なので、参加者同士の自発的な投稿が活発化しやすくなりますよね。

高橋 龍征氏

高橋 龍征(たかはし たつゆき)氏

conecuri合同会社 代表社員。ソニー有志アルムナイ発起人、中央大学客員研究員(企業アルムナイ研究会)

ソニーやサムスン電子などで事業開発中心のキャリアを歩んだ後、独立。18年以上にわたり、複数のコミュニティの立ち上げや運営に携わる、場づくりの専門家。2020年にソニーグループの有志アルムナイを立ち上げ、ソニーグループ公式のOBOG組織「ソニー友の会」(会員数3.3万人)のリニューアルも支援するなど、近年は価値を生む企業アルムナイづくりに注力。2024年には中央大学の客員研究員に就任して「企業アルムナイ研究会」を立ち上げ、学術研究も行う。

八森:また、オンラインイベント「DeNA Galaxy Night」は目玉コンテンツの1つです。南場と加古がホストとして、現役の社員または卒業生にインタビューするというもの。卒業生だけでなく、現役社員も参加可能です。ちなみにDeNAでは、社員の社外での挑戦や活躍を積極的に支援し、DeNAの事業や卒業生を「星」に、そして多様な企業や卒業生との連携を「星座」に見立て、社会に大きな喜びを届けたいという思いを「DeNA Galaxy」と呼んでいます。

 DeNA Galaxy Nightはクローズドのイベントなので、生々しい話を聞けるのが特徴です。南場がカジュアルに、「最近どう?」「事業はうまくいっているの?」と切り込んでいます。それが好評で、毎回参加者が多いイベントです。最近では、「AIについて語る会」や、横浜DeNAベイスターズの優勝記念として選手を呼んだ特別回も開催しました。

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この記事の著者

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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