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特別寄稿《メンタルヘルス》| 産業医が見聞きしてきた「若手社員の本音」

「実はこれが一番辛かった……」 メンタルヘルス不調に陥る若手社員の“本当の悩み”と対策を産業医が解説

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若手のメンタル不調を防ぐ解決策:「教育の再設計」「対話の土壌づくり」

 こうした状況では、「教育の再設計」が不可欠である。若手社員の多くは、自分に足りていないものがあることは理解している。しかし、何が足りておらずどうすればそれを補えるのかが分からない。

 必要なのは、具体的な行動や思考の言語化である。「こういう場面で先輩はこう考えていた」「自分ならこう動く」といった実践知を共有する仕組みが求められる。

 かつては、そうした知は職場の日常の中で自然に学ぶものであった。だが今や、上司もプレーヤーとしての負担が増し、部下との対話に十分な時間を割けていない。

 若手社員自身も、マニュアルだけでは不十分だと理解している。ただ、綿密なコミュニケーションへの不安感と、上司の時間を取ることへの罪悪感から、「できればマニュアルで済ませたい」と考えてしまうのである。

 とはいえ、生涯のキャリアに対して強い危機感を抱いているからこそ、教えられた内容が自分に役立つと実感できれば、彼らは真剣に耳を傾ける。少々厳しい内容であっても、ハラスメントとは捉えない傾向も見られる。

 事実、私が面談してきた若手社員たちでその後、「なんとかやっていけています」と話す人は、疲労感はありながらも笑顔でその充実感を表現している。

人事の役割:「ギャップを埋める仕組み」をつくる存在に

 人事はまず、「上司と若手社員のギャップは以前よりも広がっている」ことを明確に意識する必要がある。そして、それを埋めるためのビジネスパーソンとしての必要なマインドと、コミュニケーションのトレーニングツールなどの提供が喜ばれるだろう。

 まずは、「この会社で求められるビジネスパーソン像」を定義し、現在の自分との距離を可視化できるようにする。そのうえで、次のような支援を設計していくべきである。

  • 若手社員向けには、基本スキルのeラーニングコンテンツや社内ポータルの活用
  • 管理職向けには、若手社員の価値観や教育法に関するガイドラインの提供
  • 社内ラジオや対話イベントなど、世代を超えたコミュニケーションの場の提供

 人事主催のセミナーでも、こうした背景を講師に共有することで、より現場に即した研修が可能になる。実はこういったことを話すのは、社内の事情を知っている講師のほうが望ましい。一般的なビジネススキルでは社外の事例が大切だが、現場に即した研修では、内部の空気感が分からないと参加者の心をつかめないからである。

 また、会社員がどのような悩みを抱えやすいのか、その解決策や先輩の対応例を集約したツールの整備も重要である。

「1人ひとり」のリアルに向き合おう

 メンタルヘルス不調の背景には、個々の物語と環境がある。若手社員のメンタルヘルス不調が増えているのであれば、職場や社会の構造的課題にも目を向けなければならない。

 若手社員は真剣にキャリアを考え、成長を求めている。そして上司も、自らの限界と向き合いながら部下に手を差し伸べようとしている。両者をつなぐのは、制度・教育、そして信頼に基づいた対話である。人事がその土壌を整えることで、若手社員も管理職も前を向ける。

 孤立せず、学び合い、支え合える職場に向けて。「最近の若者は」という昔からのセリフを繰り返すのではなく、今こそ若手社員のリアルな声に耳を傾けるべきである。

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この記事の著者

吉田 英司(ヨシダ エイジ)

株式会社ベスリ(https://besli.co.jp/) 代表取締役 産業医・心療内科医臨床研修終了後、米系コンサルティングファームのベインアンドカンパニーでビジネスコンサルタントとして約3年間働く。会社組織の中で働くという視点から産業保健に興味を持ち、総合電機、半導体開発製造、外資IT、外資化学...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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