世界のロジスティクスを支える、国を越えた人と人とのつながり
世界最大級の国際物流企業DHLグループの日本法人の1つであるDHLジャパン。社員のエンゲージメントを重視した人事戦略が評価され、世界150ヵ国以上で活動する「Great Place to Work」より、過去13年連続で日本において「働きがいのある会社」の認定を受けてきた。そして2025年度には大企業部門で第1位を獲得。DHLグループ全体で「働きがいのある組織づくり」に向けての取り組みを促進しており、特にDHL EXPRESSはグローバル企業の世界ランキングで1位、アジア地域で1位を獲得している。
DHLグループは、エクスプレス(ドアツードアの国際エクスプレスサービス)、グローバルフォワーディング(大型国際貨物輸送)、サプライチェーン(倉庫管理・配送管理などのロジスティクスサービス)、eコマース、ポストアンドパーセル(ドイツの郵便サービス)という、5つの事業部門から構成される。グループ全体で従業員数約60万人を擁し、売上高は約14兆円にも上るグローバル企業だ。
そのうちエクスプレス(DHL EXPRESS)は約11万人の従業員を擁し、売上高約4兆円のビジネスを展開する。220以上の国と地域で、自社が所有する施設設備と自社従業員により、荷物を最短で24~72時間以内に届ける国際エクスプレスサービスを提供している。
DHLは自社を「世界で最も国際的な企業」と位置付け、「グローバルに考え、ローカルに動く」という姿勢を重視している。広範なネットワークを活用し、「人と人をつなぎ、生活の向上に貢献する」を企業のパーパス(存在意義)として掲げている。これを実現するには、国境を越えた協力と支援が不可欠であり、職場には多様性が求められる。異なる文化や価値観を尊重し合う姿勢は、業務の遂行にも企業文化の共有にも欠かせない要素というわけだ。
「特にエクスプレスのサービスでは、荷物の量や届け先が日々異なり、天候やフライト状況も常に変化する。その中でも、各国の社員1人ひとりが情熱を持って業務に取り組み、グローバルなネットワークの一員として連携し、状況に応じて創意工夫することで、約束通りに荷物を届けることができる」と大植氏は語る。
大植 栄二郎(おおうえ えいじろう)氏
DHLジャパン株式会社 執行役員 人事本部長
現職以前は、日立製作所、ナイキ、ジョルジオアルマーニにおける人事と、マーサーにおけるコンサルティングに従事。
グループの2025年までの5ヵ年計画では、グローバルな多様性環境の中で相互尊重によってより良い職場作りを目指し「①社員から選ばれる企業」となること、最高のサービスを提供し「②お客様から選ばれる企業」となること、収益性と継続的成長を実現し「③投資家から選ばれる企業」となることを、ボトムライン(企業の存在意義や価値を測る基準)としてきた。さらに新しい5ヵ年計画では、「④グリーンロジスティクス」を加え、持続可能な成長に取り組むとしている。
そして、成長戦略として、「①やる気のある人材」が「②優れたサービス」を提供することで「③お客様から高い信頼」を得て、「④収益性の高いネットワーク」が可能になるという“4つの柱”を重視している。それぞれが連携して好循環を生み出し、各“柱”に投資することでそれを加速することが成長につながると考えているわけだ。
「もちろんインフラ基盤への投資も十分にしているが、日々変化する状況の中であっても、お客様との約束を守れるのは熱意ある『人の力』によるもの。そうした人材こそが、4つの柱でも最も重要な核となる。この考え方は、『やる気のある人材』に対する取り組みとして、採用、育成、評価、処遇などの人事制度や職場環境改善にも反映していることはもとより、良い職場づくりや職場環境の改善についても重視している」(大植氏)

