成長戦略4つの柱に紐づく多彩な施策で、社員の「エンゲージメント」をアップ
そうしたDHLの「やる気のある人材」に対する取り組みの中で、最も重視されているのが、「エンゲージメント」の向上だ。たとえば、オープンなコミュニケーション、フィードバック、情報共有、多様性の重視、チームワーク、前向きな姿勢の尊重、チャレンジする機会の提供、コンプライアンスの重視、安心安全な職場づくりなどが該当し、さまざまな施策がいずれも前述の「4つの柱」に紐づいて策定されている。
大植氏は「DHLでは、『社員を大切にすることは、お客様を大切にすることにつながる』という考え方を重視している。グローバルなネットワークでサービスを提供する当社にとって、顧客への誠実な対応は、チーム全体が互いに尊重し、協力し合いながら『As One』の姿勢で成果を出すことに直結している」と語る。つまり、社員のエンゲージメントは、「お客様への取り組み」と「社員同士のチームワーク」の両面を意識したものである必要がある。
そこで重視されているのが、年2回の「サーベイ」だ。1つは「Great Place To Work(働きがいのある会社)」としての調査であり、働きがいに関する60の質問項目について社員の評価を確認し、外部調査としてマーケットトレンドやベンチマーク企業との比較も行っている。もう1つは社内サーベイ「Employee Opinion Survey(社員意識調査)」で、会社の施策・方針・コミュニケーションに対する社員の理解や評価を確認している。
これらのサーベイ結果は各部門・チームごとに開示・共有され、具体的な改善取り組みにつなげるサイクルを構築している。サーベイ結果は毎年上下動があるため、その変化に対してアクションを起こすことが重要だ。Employee Opinion Surveyの結果は管理職層の評価にも反映される。
さらに、より良い職場づくりの取り組みとして毎年実施されているものに、グループ全体での「アプリシエーションウィーク」がある。社員やチームメンバーの努力・貢献に感謝を伝えるイベントであり、グループ全体の共通テーマを各国・各職場の状況に合わせて実施されている。職場の飾りつけやメッセージ交換、社内イントラネットへの写真投稿など、日常的な取り組みの中で、グループ全体のメッセージを身近に感じる機会としている。
また、職場改善の継続的促進を意図して、設けられているのが「ベストワークプレイスコミュニティ」だ。約90名の社員が自主的に参加し、各職場の取り組み情報共有、課題やテーマに対するアイデア議論、具体的取り組みの社内発信などを行っている。

