リモラボが運営するリモートワーク実践スクール「リモラボ」は、受講会員である女性を対象に、「働く女性の職場環境と価値観に関する意識調査」を実施した。
女性の約95%が古いと感じる会社制度や文化「あり」
女性を対象に「古い」と感じた会社の制度・文化について聞いたところ、93.8%が何かしらの「古い」制度や文化が存在すると回答した。特に、「働き方(リモート/フレックスなし)」(55.5%)、「評価制度(年功序列・上司評価のみ)」(54.3%)、「副業・兼業禁止」(52.7%)、「意見を言っても変化が起きない/若手や現場の声が反映されない」(52.0%)の上位4項目は、半数以上の回答者が「古い」と指摘する制度・文化となっている。
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また、実際に古いと感じた制度は文化の体験談については、「仕事を評価してくれているはずなのに、年次が低いことを理由に給与や昇進には反映してもらえなかった」「紙ベースでの業務が多く、リモートワークができないアナログ環境」「給料が少ないので副業をしたいという若手社員の申し出を却下」といった具体的なエピソードが寄せられた。個人のキャリア形成やライフスタイルに直結する旧態依然な慣行が、従業員の不満を高めているようだ。
仕事において人間関係がつらいと感じたことは「ハラスメントや無言の圧力」が最多
人間関係がつらいと感じたことについては、45.5%が「ハラスメントや無言の圧力がある」ことと回答した。次いで、「同僚との関係がギスギスしている/派閥や陰口がある」が38.2%、「本音で話せない閉鎖的な雰囲気がある」が36.0%といった回答が多く、風通しの悪い職場環境が従業員の孤立感を深めている実態が明らかになった。
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具体的には、上司からの過剰な指導やパワハラ、職場内の陰口や派閥による対立、セクハラや差別的扱い、コミュニケーション不足による意思疎通の困難、そして相談相手がいないことによる孤立感など、多岐にわたる人間関係の課題が挙げられた。
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会社の理念に関して「経営陣が現場を理解していない」と半数が感じる
会社の理念に関して違和感を覚えたことはあるかという問いに対しては、「経営陣が現場を理解していないと感じた」と50.9%が回答し、経営層と現場の間に大きなギャップが存在することが分かった。また、「理念と実態にギャップがある(言っていることとやっていることが違う)」も47.4%と多く、企業の掲げる理念が形骸化している実態も判明。これらの結果は、従業員が企業の方向性や経営層の意思決定に対して不信感を抱いていることを示している。
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退職理由のトップは「成長機会のなさ」と「待遇への不満」
女性が仕事を辞めたいと強く感じる理由としては、「自身の成長やキャリアアップが見込めない」が47.1%と「給与や待遇が自身の働きに見合っていない」が46.8%で、ほぼ同率で1位、2位にランクイン。これは、キャリアの停滞や報酬への不満が、女性にとって最も深刻な離職要因となっていることを浮き彫りにしている。
また、「人間関係のストレスや孤立感がある」が42.8%、「将来が見えず、このままで良いのか不安になることがある」が42.5%といった精神的な負担や将来への不透明感も、離職を考える大きな要因となっているようだ。
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8割が「柔軟な働き方」と「信頼関係」を重視
一方で、従業員が「働きやすい会社」に共通していると考える点として、「働く時間や場所の自由度が高い(リモートワーク、フレックスタイムなど)」が80.2%で1位となった。また、「有給休暇やそのほかの休暇が取得しやすい」も74.3%で上位に挙がっており、現代の女性が仕事と私生活のバランスを重視し、柔軟な働き方を強く求めていることが分かる。
さらに、「上司や同僚との間に信頼関係があり、協力し合える」が80.0%、「困ったときに気軽に相談できる雰囲気がある」が73.9%と重要視されており、信頼と協力、そして相談しやすい雰囲気が、女性が働きがいを感じる上で不可欠な要素であることが見て取れる。
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加えて、「この会社で働きたい」と感じる決め手と理由については、次図のような声が寄せられた。
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ずっといたい会社は「家族や体調への理解がある会社」
この会社にずっといたいと感じた瞬間について聞くと、「家族や体調への理解があったとき」が43.4%、「自分の意見や挑戦が歓迎されたとき」が39.6%で上位に挙がった。これは、従業員が企業に対して、個人の状況への配慮と、従業員1人ひとりの自主的な意見や行動を尊重する姿勢を求めていることを示している。
また、「仲間と目標を共有できたとき」が32.9%、「自由な働き方を許してもらえたとき」が31.0%と、良好な人間関係や柔軟な働き方が、従業員の定着意向を高める重要な要素であることが明らかになった。
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仕事を選ぶ際、約9割が「在宅勤務・リモートワーク制度」をチェック
今後仕事を選ぶうえで特に注目する制度・仕組みについて質問したところ、「在宅勤務・リモートワーク制度」が87.3%で圧倒的1位となった。 このことは、企業が優秀な人材を確保し、定着させるためには、リモートワークの導入や拡充が必須の経営課題となっていることを明らかにしている。
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リモートワークを経験者に、実際に経験してよかったことを聞くと、最も多かったのが「通勤時間やそれに伴う身体的・精神的負担がなくなった」が44.8%だった。次いで、「家事や育児・介護など、プライベートとの両立がしやすくなった」が31.5%、「職場での人間関係や通勤によるストレスが減少した」が29.1%と続き、リモートワークがワークライフバランスの向上やストレス軽減に大きく貢献していることが判明した。
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有給・時間給の取りやすさを3人に1人が重要視
実際に経験して「あってよかった」と感じる制度・仕組みでは、「有給休暇(取得のしやすさ、時間単位休暇含む)」が65.1%で最多となり、次いで「健康診断・人間ドック無料/補助」が56.0%、「産前産後休暇・育児休業(男性育休含む)」が33.7%で上位となった。働く女性は、いざという時のセーフティーネットとして、企業に健康や休暇に関する配慮を求めていることを示している。
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なお、調査の概要は次のとおり。
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調査対象:リモラボメンバー
- リモートワーク実践スクール「リモラボ」の受講会員967名(女性のみ)
- 約8~9割がフリーランス
- 調査実施期間:2025年7月15~19日
- 調査機関:同社調査
- 調査・集計方法:インターネット
- 有効回答数:967名
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