マイナビは、2025年1~6月に中途採用を行った人事担当者と、直近1年以内に転職した20~50代の正社員男女を対象に実施した「マイナビ 管理職の中途採用・管理職転職に関する調査2025年」の結果を発表した。
同調査では、「管理職」を課長クラス以上の役職としている。
中途採用で管理職を採用した割合は49.6%で、2021年から10ポイント以上増加
2025年1~6月に中途採用を行った人事担当者のうち、「管理職を採用した」割合は49.6%だった。管理職を採用した実績を年別で聞いたところ、2021年から管理職の中途採用は増加傾向にあり、2021年(38.9%)比では10.7ポイント増加している。
採用した管理職の役職別で見ると、部長クラスが29.9%(2021年比10.1ポイント増)、課長クラスが38.9%(2021年比9.5ポイント増)で、いずれも増加が見られた。
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管理職の採用理由は「マネジメント経験が豊富な人材を求めたため」が最多
管理職の採用理由を複数回答で聞くと、「マネジメント経験が豊富な人材を求めたため」が33.0%と最多で、「管理職層の多様性を高めるため(性別・年齢・バックグラウンドなど)」が32.0%と続いた。
また、最もあてはまるものでは「採用市場が活況で、好条件で採用できるタイミングだったため」が11.6%で上位に挙がっている。
厚生労働省の調査(令和6年賃金構造基本統計調査)によると、管理職の平均年齢は40~50代で、近年40~50代の転職率が上昇していることが影響している可能性があり、企業は即戦力人材の確保に加え、採用市場の動向を踏まえた柔軟な判断を行っていると推察される。
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人事担当者の約7割が管理職の中途採用に「満足している」
管理職を採用した満足度を聞くと、「満足している(満足+どちらかといえば満足)」割合は69.9%で、「不満(不満+どちらかといえば不満)」の7.4%を大きく上回った。役職別では、部長クラスの採用満足度が全体より5ポイント以上高く、企業はより経営層に近く高いマネジメントスキルを持つ人材の獲得に満足感を覚えているようだ。
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満足している理由では、「スキルが高く即戦力となった」「求める以上の人材が入社した」など、採用した人材のスキル面や、仕事の成果に満足しているという意見が多く見られた。一方、不満とした理由では、「求めていたスキルに達していない」「前職のやり方に固執し柔軟性に欠ける」といった意見が見られる。
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転職活動時に管理職だった人の転職理由、「会社の将来性に不安があった」が最多
直近1年間で転職した人のうち、「管理職としての転職」を望んだ割合は29.8%だった。転職活動時に管理職だった人では72.8%と、転職活動時に非管理職だった人と比べて高い傾向が見られた。
転職後の役職変化を見ると、全体では「変わらない」が79.2%で最多となり、「役職が上がった」割合は6.8%にとどまった。
一方で転職時に管理職だった人では、10.4%が転職後に役職が上がっており、50.6%が転職後も役職は「変わらない」と回答しているため、転職時に管理職だった人の半数以上が管理職のまま転職できていることが分かる。
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転職理由を見ると、転職活動時に「管理職だった人」では「会社の将来性に不安があった」が33.8%で最も多く、「非管理職だった人」では「給与が低かった」が26.5%で最多だった。
管理職と非管理職の転職理由の差を見ると、「会社の将来性に不安があった」(13.9ポイント増)が転職理由で最も差が見られ、次いで「給与が低かった」(12.2ポイント減)となった。管理職は非管理職と比べて経営層に近く、会社の将来性や経営方針が見えやすい立場にある可能性があり、そこに不安を感じると転職につながりやすいと考えられる。非管理職では給与などの待遇が転職理由となる傾向があり、役職によって差が見られた。
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転職した人の約半数が、今後も「ほかに良い会社があれば転職したい」
転職した人に今後のキャリアプランについて聞くと、全体の47.2%が「ほかに良い会社があれば転職したい」と回答しており、約半数は転職後も柔軟なキャリア志向を持っていることが分かった。
役職別で見ると、管理職は「ほかに良い会社があれば転職したい」割合が54.1%と高かった。管理職は転職理由に「会社の将来性への不安」を挙げている割合が高いが、転職先でも同様に「会社の将来性」や「経営方針」について冷静に判断をする姿勢を持っているのではないかと推察できる。
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なお、調査の概要は次のとおり。
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調査期間:
- 企業:2025年7月9~14日
- 個人:2025年7月2~15日
- 調査方法:インターネット調査
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調査対象:
- 企業:2025年1~6月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者
- 個人:正社員として働いている20代~50代の男女のうち、直近1年間に転職活動を行い、直近1年以内に転職した人
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有効回答数:
- 企業:1600件
- 個人:500件
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