ラクスは、プラスアルファ・コンサルティング(以下、PAC)との資本業務提携とOEM製品「楽楽人事労務」を発表した。楽楽人事労務は、PACが提供する「タレントパレット」のOEM製品で、2026年1月以降にラクスから販売する。
11月17日に開催された記者発表会では、株式会社ラクス 代表取締役社長 中村崇則氏と株式会社プラスアルファ・コンサルティング 代表取締役 三室克哉氏が登壇。各社の事業概要とともに、今回の資本業務提携にいたった理由や楽楽人事労務の詳細を説明した。
ラクスは、「楽楽精算」「楽楽明細」をはじめとする業務効率化に貢献するクラウドサービスを提供しており、2000年の創業以降、中小・中堅企業を対象にバックオフィスを中心としたSaaS領域にて存在感を強めている会社だ。
他方のPACは、ビッグデータの“見える化”に強みを持ち、コンサルティングサービスと合わせてマーケティング領域や人事領域にてソリューションを展開してきた。特にタレントマネジメントシステム「タレントパレット」は、社員数1000名以上のエンタープライズ企業からの評価が高く、契約社数の40%を占めるなど、導入が進んでいる。
中小・中堅企業のシェアを持つラクスと、エンタープライズ企業の顧客を持つPAC、今回は両者の強みを活かし、リーチできていない市場をフォローし合えるという点から資本提携に至った。ラクスはPACの普通株式合計173万9000 株(発行済株式総数に対する割合 4.09%)を、11月14日に取得している。
業務提携の第1弾としてラクスは「楽楽人事労務」を発表した。これは、タレントパレットの機能群の中で、中小・中堅企業に必要な機能を抽出したもの。2028年までに2000社の導入を目指すという。
「これまでラクスのHR Techは楽楽勤怠しかなかったが、PACとの業務提携によって新たなサービスが提供できる。ラクスの持つ中小・中堅企業をターゲットとした知見を活かしながら、PACとタッグを組むことでエンタープライズ領域にも攻めていきたい」(中村氏)
「タレントパレットは当初、従業員数100名以上の企業をターゲットに考えていたが、企業規模によって市場特性が異なることが分かってきた。従業員数が300名以上の企業にはタレントパレット、300名以下の企業には楽楽人事労務を提供することで、トータルでカバーできると考えている。SaaS領域において、強い連合軍になれるのではないかと考えている」(三室氏)
楽楽人事労務の提供にあたっては、タレントパレットの強みの1つであったスピード感のある開発体制も活かす予定だという。中村氏は、「三室さんとは、なにかシンパシーを感じる部分があり、仲がよいと思っている。現場でも、両社で良好な関係を築いてより良いサービス開発に活せれば」と述べ、笑顔をのぞかせた。
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