会費無償化、グローバルに通用する人材を育て地方創成につなげたい
新しいOracle Amademy制度の詳しい内容については、同社 オラクル・アカデミー担当マネージャー 瀬戸亮一氏が解説した。会員制度(契約)は無償(ただし資格試験受験や研修コースによっては有料)。これまでは団体契約(インスティチューショナル・メンバーシップ)のみとしたところ、個人契約(インディビジュアル・メンバーシップ)が新たに追加となった。
何よりも大きいのは、先述したように対象を中学や高校にも拡大すること。これまで大学や専門学校など教育・研究活動にはソフトウェア無償提供をしてきたが、今後は中学や高校に学習カリキュラムの提供が加わる。
瀬戸氏によると、現状の学校教材はITやコンピュータに関する知識を広めるものが多いそうだ。それに比べると、Oracle Academyが提供する教育コースは手を動かすなど体験を通じて学ぶ形となっている。より実践的である。将来のIT人材となるように種をまくことにつながりそうだ。
先述したような中学や高校を対象とした初級向けコースのほかに、より高度で最先端の教育プログラムもある。クラウドコンピューティングの概要を学ぶ「Cloud Computing」、ビッグデータの基本概念やHadoopを習得する「Big Data Science Boot Camp」、NoSQLの基本スキルを習得する「Big Data Learning Library」など。
対象範囲拡大やカリキュラム拡充を進めることで、瀬戸氏は「今後は会員数を現状の3万人から倍の6万人を目標」と掲げる。現時点ではまだOracle Academyに参加した中学や高校はないものの、前向きな教育機関として、神奈川県の神奈川大学付属中高等学校、岐阜県の岐阜県立岐阜総合学園高等学校、千葉県の千葉工芸高等学校が挙げられた。実際教育機関は4月から始まるため、動きは春以降となるだろう。
杉原氏はOracle Academyの若手向け教材について「ロボコンでリアルのロボットを動かすように、実際に手を動かすことで、実際のコンピュータで何ができるかを学んでもらいたい」と話す。また「中学や高校など若いうちからプログラミングだけではなく英語にも親しんでもらい、グローバルに活躍できる人材として成長してもらいたい。そしてゆくゆくはそれぞれの地域で活躍することになれば地方創生にもつながります」と、若手の人材育成だけではなく日本の課題となっている地方活性化にもつながると強調した。