マネーフォワードは、人事労務に関する業務に携わっている、または携わったことがある844名を対象に、「人事労務における生成AI活用の実態調査」を実施した。
人事労務業務での生成AI導入・活用率は49.9%
人事労務業務に携わる人のうち、生成AIを「導入・活用している」と回答した人が49.9%と、「導入・活用していない」と回答した人(32.8%)を上回った。個人情報など機密性の高いデータを扱う人事労務領域においても、生成AIの活用がすでに多数派に転じつつある状況がうかがえる。
従業員規模別に見ると、10名以下では26.3%にとどまる一方、1001名以上では78.3%に達し、約3倍の差がついた。101名以上の企業では6割を超えており、社内に情報システムや推進体制を持つ規模の企業から活用が先行していることが読み取れる。
テキスト処理業務から導入が進行
生成AIを導入・活用している421名に活用領域を尋ねたところ、上位は「議事録の作成や文章の要約などの一般的な事務作業」(43.2%)、「社内規定やマニュアルの作成・改定業務」(39.9%)であった。個人情報に直接触れにくいテキスト処理業務から導入が進む一方、人事評価や採用など判断を伴う領域は3割程度にとどまっている。
導入効果は「コスト削減」(41.6%)が最多
実感している効果は「コスト(人件費や外注費など)の削減」(41.6%)が最多で、「人手不足の解消や業務負担の軽減」(39.9%)、「文章のクオリティ向上や表現の標準化」(39.7%)が続き、省力化と品質の安定が同時に評価されている。
こうした効果実感を背景に、89.1%が今後の活用度合いや投資を「増加・拡大する」と回答した。
課題トップは「正確性・信頼性」「スキル・リテラシー不足」「情報漏洩リスク」
課題・懸念点は、導入の有無を問わず上位3点が共通した。未導入では「情報の正確性や信頼性への不安」が43.7%と最も高く、導入済(36.6%)を上回っている。一方で、スキル・リテラシー不足や倫理・法務面の課題は導入済のほうが高く、使い始めてから直面する課題であることが読み取れる。
人事労務業務で生成AIを導入していない人でも、プライベートでの活用が57.8%、人事労務以外の社内業務での活用が34.3%にのぼった。AIそのものを使えないのではなく、機密性の高い人事労務業務にだけ持ち込めていない状態であることがうかがえる。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
- 調査対象:お勤め先で人事労務に関する業務に携わっている、または携わったことがある人
- 有効回答数:全回答者844名(うち、人事労務業務で生成AIを導入・活用している421名、導入・活用していない277名)
- 調査実施期間:2026年7月
- 調査機関:株式会社マネーフォワード
【関連記事】
・年末調整における労務担当者の疲労要因の73%を占める従業員とのやり取りを削減—SmartHR
・福井県 敦賀市がHRBrain タレントマネジメントと労務管理を導入—HRBrain
・ヤマト運輸が統合人事システム「COMPANY」を採用 約17万名の人事労務業務に対応—WHI
この記事は参考になりましたか?
- HRzineニュース連載記事一覧
-
- 約半数が人事労務業務に生成AIを活用し、未導入率を上回る 大企業では約8割—マネーフォワー...
- 環境省がタレントマネジメントシステム「カオナビ」を導入 職員1人ひとりの成長を後押し—カオ...
- 年末調整における労務担当者の疲労要因の73%を占める従業員とのやり取りを削減—SmartH...
- この記事の著者
-
HRzine編集部(エイチアールジンヘンシュウブ)
労務管理から戦略人事、日常業務からキャリアパス、HRテクノロジーまで、人事部や人事に関わる皆様に役立つ記事(ノウハウ、事例など)やニュースを提供しています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

