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イベントレポート | Developers Summit 2016 資格Zineパネルディスカッション

現場で評価される資格は? 資格で得た知識・スキルが役立つ場面とは? 講師・コンサル・CTOの意見交換で明らかに


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間もなくシステム開発案件は世界の人と奪い合う時代に

市古:欧米型ジョブディスクリプションに、最近は日本型のアジャイル型も加わり、混沌としているということですが、そもそも日本企業の生産性は高くないといわれています。欧米型の採用手法に資格がフィットするとして、日本型組織で生産性を上げるための教育・資格の活かし方ってないものなんでしょうか。

最上:企業の成熟度によるでしょうね。いま盛んに研究されているテーマとして、性格占いに近いんですが、「企業のカルチャーに応じた人材育成のやり方」というものが注目されています。たとえば、強いリーダーシップのあるトップダウン型と、一人ひとりが一定の権限を持つフラット型だと、全く違うわけですね。その際に、どう育成していくのか評価する方法として、欧州に「ヨーロピアン・e-コンピテンス・フレームワーク」というコンピテンスの考え方があります。

ヨーロピアン・e-コンピテンス・フレームワーク(最上氏が当日用意したスライドより)
ヨーロピアン・e-コンピテンス・フレームワーク(最上氏が当日用意したスライドより)

 経営学者のピーター・ドラッカー氏[2]考え方と通じるところがあるのですが、人の能力や人材を説明する指標として、それぞれの分野について①知識がある、②知識を使って経験している、③経験を人に伝えられる、の3つを柱にしています。

市古:現場の経験が重要といっても、おそらく「どう成長しているのか」「どこを成長させるのか」を推し量るのは難しいですよね。その意味で、こういう指標で成長度を評価して、進むべき方向性や足りない部分を補足することは大きな意味があるでしょう。組織もそうですが、個人でも自分の知識やスキルを客観的に把握することは大切でしょうから。特にこれから、日本国内のシステム開発案件は飽和していくと見られ、海外に活路を見出さざるを得ない時期が遠からず来ると思います。しかし、アジア勢がどんどんスキルを高めてきており、英語も話せることで優位だとすれば、のんびりもしていられないでしょう。

最上:まさにそれで、グローバルしなきゃとか、するべきか否かとかではなくて、「すでにグローバル化している」んですよね。もう逃げられない中で、いかに自分を守るか。それを考えるべき時に来ているように思います。資格も武器の1つと認識するべきだと思いますね。

現場や企業で評価される「価値の高いIT資格」とは

市古:確かに世界の人材と闘う上で、頼れる武器の1つであることは間違いないでしょう。人材価値を判断する上で、他にも指標はあるかと思うのですが、実際のエンジニアの評価および採用について、まさにリアルでなさっている大場さんから見たら、「資格」の威力ってどのくらいのものなんですか。

大場:参考として見ますが、正直いうとあまり重視はしていないですね。最上さんはどうですか。例えば、とにかくたくさんの資格を持つことが目的になった「資格マニア」もいたりしますよね。

最上:直接会って話すとなんとなくわかりませんか。資格が立派でも違和感がある方って、やはりいらっしゃいますよね。まず、様々な資格を数多く取得している人は警戒しますね。どこの会社にでも履歴書を出せそうな人は、結果としてどこの会社でもNGになることが多いです。

大場:ああ、ありますね。「どうやってキャリアを積んでいくか」という明確な物語を自分の言葉で語れて、それに付随した資格を取っている人は、たいてい知識も経験も一致していて安心できます。実際コードを書いてもらうと、リアリティがあるんですよね。逆に資格だけ見ると「どうなりたいんだ?」というちぐはぐな印象のある人は、仕事のクオリティも問題が生じることが少なくないです。

最上:えっ、実際の面接時にコードを書いてもらうことがあるんですか。

大場:Webサービスを開発している事業会社では、コードを書くような面接を普通にしていると思います。学生でもインターンとしていっしょにコードを読み書きする機会を作ったり、GitHubで自分の書いたプログラムを公開していたりと、資格だけでなくコードを見て判断する状況が増えてきています。他にも、例えばGoogleでは20回も面接して、その間にコーディングをかなりさせるそうです。

市古:コードを書かせてエンジニアの力量を測るというのは、面接する側もエンジニアとして経験がないと難しいでしょうね。ちなみに、先ほど「資格はあまり重視していない」とおっしゃっていましたが、そんな大場さんが押さえておくといいと思われる資格ってありますか。たとえば、データ分析系とか、ずいぶん流行っていますが。

大場:動きが早い領域については、正直資格の価値はさほど大きくないと思います。一方、広くインフラとなっているもの……、たとえばセキュリティ関連とか、汎用性が高いけど、取得するために幅広い知識が必要というものは価値が高いと思います。あとネットワークの低レイヤーや組込み系とか、あるいはISMSなどコーポレートとITの組み合わせワザみたいなのも強いですね。

 ただ、おっしゃるようにデータサイエンティストなんかも、キーワードとして目立っていますが、具体的に何をする人なのか、どんな価値を提供できるのか、まだ十分に浸透していない領域なので評価は難しいでしょう。

市古:割と広く汎用的かつ差別化できる資格ということですね。

大場:1つはそうですね。資格で食べていけるくらいのもの。あとは、先ほど「動きが早い領域については、正直資格の価値はさほど大きくないかも」みたいなことを言いましたが、基本的に技術はどんどん変わるし、キャッチアップするには相当技術が好きでなければ続かないと思います。ですから、資格が「勉強し続けていることを示す証明」になるでしょう。

市古:こうしてお話しをうかがっていくと、資格にも様々な価値や使い方があることに気づかされました。ぜひ、それぞれの場面での有力なツール、武器として、資格を捉え、自らの実務やキャリアアップに活かしていただければと思います。本日はありがとうございました。

[2]: オーストリア出身の経営学者。現代の経営(マネジメント)について多大な影響を与えた。著作に『マネジメント』『イノベーションと企業家精神』など。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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