「2019年 デロイト ミレニアル年次調査」は、デロイトが世界42か国における1983年~1994年生まれのミレニアル世代13,416名、および世界10か国における1995年~2002年生まれのZ世代3,009名を対象に実施。日本の調査結果はミレニアル世代319名、Z世代301名の回答がもとになっている。
同調査によれば、現在の勤務先で働き続ける期間を「2年以内」と見込んでいる日本のミレニアル世代は49%で、「5年以上」は25%だった。なお、世界のミレニアル世代では「2年以内」が49%、「5年以上」が28%であり、日本とほぼ同様の結果となっている。
一方、日本のZ世代では「2年以内」が64%(世界は61%)、「5年以上」は10%(世界は19%)と、世界よりも雇用先からの離職の傾向が高く、帰属意識が低い傾向を示した。また、日本の両世代ともに、自身が選んだキャリアで幹部になることを人生の目標に掲げる割合は世界を下回った(ミレニアル世代:日本26%、世界34%、Z世代:日本30%、世界40%)。実際の短期離職の割合は日本の両世代とも世界より低いものの(ミレニアル世代:日本11%、世界22%、Z世代:日本14%、世界18%)、1つの企業に長く勤めることや、幹部を目指すことは主流ではなくなっているようだ。
世界のミレニアル世代が2年以内に離職を考える理由としては、「報酬に不満がある」(43%)、「昇進機会が十分でない」(35%)、「学習・成長機会がない」(28%)が上位だが、日本では「昇進機会が十分でない」(18%)、「学習・成長機会がない」(14%)は低く、1位の「報酬に不満がある」(43%)だけが突出して高かった。
自国の経済や社会・政治が、今後12か月で「改善する」と回答した割合は低く、日本ではその傾向がさらに顕著となっている。
ミレニアル世代の人生の目標を尋ねた質問では、これまで成功の証と考えられていた「自宅の購入」(49%)、「子供/家庭を持つ」(39%)はそれほど高くなく、「世界を旅する」(57%)、「社会に好影響をもたらす」(46%)といった、社会や世界での経験から得られる価値に着目する傾向が見られる。
一方、日本では「高収入を得る」(59%)が世界よりも高く、「世界を旅する」(36%)、「社会に好影響をもたらす」(18%)などは世界を下回り、回答割合も高くはない。
雇用されることなく、企業などから単発の仕事を請け負う就労形態であるギグ・エコノミーについては、世界のミレニアル世代のうち56%がフルタイムの仕事の代わりに、また68%が副業としてギグ・エコノミーに参加している、あるいは参加を検討していると答えたが、日本ではどちらも25%に留まった。
世界のミレニアル世代の48%が、ギグ・エコノミーについて「フルタイムの仕事と同水準の報酬を得られる」と考えており、同じく48%が「フルタイムの仕事よりも仕事と家庭の両立が可能」と回答したが、日本では「フルタイムの仕事と同水準の報酬を得られる」と答えた割合は24%、「フルタイムの仕事よりも仕事と家庭の両立が可能」と答えた割合は31%となっている。