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シスコCCENT合格をゼロから目指す人のためのネットワーク超入門 | 第7回

サブネッティング ~ ネットワークアドレスを分割するための計算を素早く行う


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FLSMとVLSM

サブネッティングして1つのネットワークアドレスを複数に分割する方法には、次の2つがあります。

  • FLSM(Fixed Length Subnet Mask)
  • VLSM(Variable Length Subnet Mask)

FLSMでは、分割後のネットワークアドレスで、共通のサブネットマスクを使用しなければなりません。一方、VLSMでは異なるサブネットマスクを使用できます。この点が両者の違いです。

ここからは次のネットワーク構成例をサンプルとして、FLSMとVLSMの違いを見ていきます。

サンプルとするネットワーク構成例

2つの拠点のLANを専用線で接続しているネットワーク構成を想定しています。各拠点内にはネットワークが1つずつあります。拠点1のLANにはホストが50台接続されるものとします。つまり、IPアドレスは50個必要です。これにはルータのIPアドレスも含まれているものとします。一方、拠点2のLANには、ルータも含めてホストが20台接続されるものとします。

なお、このネットワークに割り当てられているネットワークアドレスは172.16.0.0/16とします。

図3:ネットワーク構成例
図3:ネットワーク構成例

FLSMによるサブネッティング

FLSMでネットワーク構成例のようにサブネッティングを行う場合、設定は次表のようになります。

表1:FLSMの例
ネットワーク 必要なIPアドレス数 ネットワークアドレス IPアドレス範囲
拠点1LAN 50 172.16.1.0/24 172.16.1.1~172.16.1.254
拠点2LAN 20 172.16.2.0/24 172.16.2.1~172.16.2.254
ルータ間(専用線) 2 172.16.0.0/24 172.16.0.1~172.16.0.254

ネットワークアドレス172.16.0.0/16を3つに分割しています。サブネットマスクはすべて「/24」です。このようにサブネットマスクをすべてのサブネットで共通にするのが、FLSMのサブネッティングです。

図4:FLSMの例
図4:FLSMの例

FLSMによるサブネッティングのメリットは分かりやすいことです。すべてのサブネットで共通のサブネットマスクを使用するので、設定が分かりやすくなります。FLSMでは/24など、8ビット単位の分かりやすい区切りのサブネットマスクにすることが多くなっています。

一方、デメリットはIPアドレスの無駄が多くなることです。特に上記の例では、ルータ間のネットワークでIPアドレスの無駄が多くなります。ルータ間の専用線のネットワークは2つのIPアドレス(172.16.1.0/24と172.16.2.0/24)があれば済むのに、/24のサブネットマスクだと254個のIPアドレスが利用できます。つまり、252個のIPアドレスが無駄になっているわけです。

VLSMによるサブネッティング

VLSMによるサブネッティングでは、FLSMで発生してしまうIPアドレスの無駄が解消されます。

拠点1のLANでは50個のIPアドレスが必要です。そこで、拠点1のLANのネットワークアドレスを172.16.1.0/26、つまりサブネットマスクを/26としてやります。すると、LANの中で使用可能なIPアドレスは172.16.1.1/26~172.16.1.62/26の62個となり、無駄になるIPアドレスを12個に抑えられます。

同様に、拠点2のLANでの20個のIPアドレスをまかなうために、サブネットマスクを/27とし、ネットワークアドレスを172.16.2.0/27にしてやります。また、ルータ間では2個のIPアドレスが使えればよいので、サブネットマスクを/30とし[4]、割り当てるネットワークアドレスを172.16.0.0/30にしてやります。

このように、必要なIPアドレスの数をまかなうためのサブネットマスクを考えていくのがVLSMです。まとめると次表のようになります。

表2:VLSMの例
ネットワーク 必要なIPアドレス数 ネットワークアドレス IPアドレス範囲
拠点1LAN 50 172.16.1.0/26 172.16.1.1~172.16.1.62
拠点2LAN 20 172.16.2.0/27 172.16.2.1~172.16.2.30
ルータ間(専用線) 2 172.16.0.0/30 172.16.0.1~172.16.0.2
図5:VLSMの例
図5:VLSMの例

ただし、VLSMにもデメリットがあります。VLSMはIPアドレスの無駄が少なくなる反面、分かりにくいのです。ネットワークごとにサブネットマスクが変わりますし、区切りが/26など8ビット単位ではありません。このような分かりにくいサブネットマスクは設定ミスを誘発する恐れがあります。

なお、一度サブネッティングしたネットワークアドレスをさらにサブネッティング場合に使用するのもVLSMです。例えば、上記の例の172.16.1.0/26は、一度172.16.1.0/24でサブネッティングしたネットワークアドレスを、さらに4つに分割しているとみなすこともできます。

図6:2段階のサブネッティング
図6:2段階のサブネッティング

なお、FLSMとVLSMは、どちらか一方が優れているというわけではありません。メリットとデメリットを考えて、適切なサブネッティングを行うことが重要です。

[4]: 「IPアドレスが2つしか必要ない場合、サブネットマスクは/30でよい」ことは、試験対策として必ず覚えておきましょう。

次のページ
サブネッティングのための計算のポイント

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この記事の著者

Gene(ジーン)

2000年よりメールマガジン、Webサイト「ネットワークのおべんきょしませんか?」を開設。「ネットワーク技術をわかりやすく解説する」ことを目標に日々更新を続ける。2003年にCCIE Routing and Switchingを取得。2003年8月に独立し、ネットワーク技術に関するフリーのインストラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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