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データサイエンティスト覆面談話室| #3

プロダクトの内製化移行の裏側にエンジニアの自律的な働き方あり――オプト 平岩二郎氏

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 デジタルを軸にマーケティング事業を展開するオプトが、社内システムや広告分析ツールの内製化に取り組んで成果を出しているのはご存知でしょうか。これまでは営業色が強いイメージでしたが、エンジニアの採用や育成を強化してテックカンパニーへ変貌を遂げています。自主自律を重んじたエンジニア組織を立ち上げるまでに、どんなストーリーがあったのでしょうか。今回は、同社CTOである平岩二郎氏にお話を伺います。

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外注から内製化へ、マネジメントも変わった

マスクド:オプトに入社するまでの経歴・経緯を教えてください。

平岩:本格的にコンピュータに触れたのは、1浪して大学に入学した頃ですね。ADSLが普及し始めた時期で、ホームページの作成やFlashを触ったりしてました。2ちゃんねるの閉鎖騒動などもありましたね。

マスクド:懐かしいワードです。

平岩:卒業後はiモードの勝手サイト(キャリアメニュー非公式サイト)とかガラケー(携帯電話)のゲームなどを手掛けるソフトウェア会社に就職し、エンジニアとしてのキャリアがスタートしました。そこから新しい場所で活躍したいと思って、10人前後のベンチャーに飛び込みました。そこで右も左も会社法も分からないのに、代表を任されることになったんです。当然うまく行かずに辞めてフリーランスをしていた頃、以前のオーナーに声をかけられて、ネット広告系のスタートアップ立ち上げに携わりました。

平岩 二郎氏
平岩 二郎(ひらいわ じろう)氏
株式会社オプト 執行役員 CTO。
独立系開発会社にて多種多様な開発を経験した後、アドテク系開発会社の立ち上げに参画。オプト参画後はオプト内の様々なプロダクトに関わり、CTOとして「Opt Technologies」というオプト内のエンジニア組織を運営。2019年4月執行役員に就任、テックで勝つ代理店を目指して奮闘中。

マスクド:ここで広告に繋がるんですね。

平岩:オプトグループが一部出資して立ち上げた、Demand Side Scienceという会社の共同代表に就任したんです。その後、Demand Side Scienceの事業も落ち着いた頃、オプト社内で自社システムの内製化を進める気運がありました。競合のネット広告会社がエンジニアの採用強化や内製化を進めており、危機感もあったのでしょう。内製化する最初のターゲットとしては「ADPLAN」という自社の広告効果測定ツールでした。開発の外注化が進められた結果、情報がサイロ化して社内で開発できる人間が少なくなっていたのです。

マスクド:外注化を進めた結果として問題視される点ですね。

平岩:いわゆるIT負債になり、その対策のための開発チームを立ち上げることになりました。私もオプトへ入社したのですが、このとき、社長の金澤や執行役員の石原が「Opt Technologies」というブランドを作って音頭を取ってくれました。これまでの営業中心だったオプトに、エンジニアという存在を取り込むには「Opt Technologies」という箱と求心力が必要だと考えたからです。そこにエンジニアの居場所を作り、ADPLANの内製化がスタートしました。

 ADPLANは大量のデータを扱う製品なので、大量データ処理に関するノウハウや技術が培われていきました。内製化のメリットの一つは、そういった技術が他のデータを扱うプロダクトへ転用できるようになったことですね。また、ちょっとした機能の改修でも、営業とエンジニアが相談できるようになり、要望の反映が早くなったとは思います。もちろん、それでもビジネス側のニーズと開発の都合で衝突することはあります。ただ同じ会社ですから、衝突してチームが空中分解してはいけません。そこでスクラムによる開発を導入してもらうなどして、全員が同じゴールに向かう文化を醸成していきました。これもADPLANの内製化によって社内に根付いたものだと思います。

覆面インタビュアー マスクド・アナライズ氏
覆面インタビュアー マスクド・アナライズ氏

マスクド:組織運営において、オプトに入社するまでの経験も活きていますか。

平岩:以前の経験で活きているのは、エンジニア出身のマネージャーにありがちなマイクロマネジメントをやりすぎて失敗したことです。「自分がやったほうが早い」と思ってプレイヤーの視点になりすぎると、組織としてはワークしなくなって失敗します。だからこそ、マネージャーとプレイヤーの違いをよく考えて行動するようになりました。また、及川卓也さん[1]などが言及していたサーバントリーダーシップという考え方に出会ったことが大きく、奉仕型のリーダーシップを追求するようになりました。

[1]: マイクロソフトでWindowsの開発に携わり、グーグルでGoogle Chromeのエンジニアリングマネージャーなどを歴任した著名なITエンジニア。

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マスクド・アナライズ(マスクド・アナライズ)

空前のAIブームに熱狂するIT業界に、突如現れた謎のマスクマン。現場目線による辛辣かつ鋭い語り口は「イキリデータサイエンティスト」と呼ばれ、独自の地位を確立する。「データサイエンス界の東京スポーツ」を目指し、ネットとリアルを問わずAIやデータサイエンスに関する啓蒙活動を行なう。お問い合わせはメールア...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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