ガートナー ジャパンによれば、クラウドや人工知能 (AI) といったテクノロジーの破壊的な側面はさまざまなところで語られているため、一定数の人々はそのインパクトを認識しているが、「自分事」として自らのアクションを変えるには至っていないという。
また、同社のアナリストでディスティングイッシュト バイスプレジデントの亦賀忠明氏は、次のように述べている。
「デジタルのトレンドが当たり前になる中、多くの企業が、新しいことを推進する必要性を認識しつつあります。しかしながら、さまざまな検討の結果、『人ない、金ない、時間ない』となり、結局は『何もしない』となるケースも多く見られます。IT部門の中には、『ITはコストであり、IT人材も内製化するのではなく外注する』と言い切る人が今でも存在しています。このままでは、そのようなIT部門は、既存業務システムの『外出し』は継続できても、新規のテクノロジーでビジネスインパクトを出せるような取り組みはできず、結果として、次第に社内での存在感を失っていくでしょう」(亦賀氏)
ガートナー ジャパンが示した展望の要点は次のとおり。各要点の説明はプレスリリースを参照のこと。
- 2023年までに、日本企業の60%は、新たなマインドセットの獲得に苦慮する
- 2023年まで、デジタルディスラプションへの対応などを前提として、新しいビジネスアーキテクチャを策定して推進しようとする日本企業の80%は、リーダーシップやスキルを持つ人材の不足を理由に、何もできないままに終わる
- 2023年までに、Amazon Web Servicesなどの本物のクラウドの認定資格を取得するユーザー企業の割合は60%を超え、スキルを持たないベンダーやインテグレーターにとっての脅威となる
- 2023年までに、クラウドやAIといった新しいスキルを身に付けないIT部門の90%は、企業に多大な機会損失をもたらし、社内外でのポジションをさらに低下させる
- 2023年までに、メンバーの説明能力の向上を継続的に進めないIT部門の80%は、デジタル・ビジネスへの取り組みから疎外される
- 2025年までの間、「日本で標準的なスキルを有する」と考えている企業の40%は、インフラストラクチャとオペレーション(I&O)部門のスタッフの高齢化問題に悩まされ続ける
なお、ガートナー ジャパンのサービスのユーザーは、ガートナーレポート「2020年の展望:日本におけるテクノロジ人材の将来」(INF-20-47)でさらに詳細を確認できる。