学情は、2021年卒採用の状況や、新型コロナウイルスの感染拡大の影響をひもとくために、企業の採用担当者にアンケートを実施。学情は、調査結果を次のように述べている。
「選考中の辞退者数(昨年比)」は、「減った」29.6%が、「増えた」14.4%を上回った。また、「内々定辞退者数(昨年比)」も、「減った」37.1%が、「増えた」13.8%を上回っている。この結果から、売り手市場で多くの企業を悩ます「辞退」が今年は減少傾向にあることが分かる。
採用予定数に占める「内々定出し人数」の割合は、「101~120%」の回答が15.9%、「121%以上」の回答が17.2%となった。内々定辞退を見越して、採用予定人数を上回る数の内々定を出した企業は33.1%に上るものの、昨年よりも5.2ポイント減少した。また、「出していない」の回答が22.5%となり、昨年より13.9ポイント増加。緊急事態宣言中に、採用活動を一時中断した企業もあり、内々定出しが順調にできていない企業が多いことが推察される。
採用予定数の8割以上の「内々定承諾」を得ていると回答した企業が37.2%に上り、昨年より8.9ポイント増加で「内々定承諾率」は上昇傾向にある。その一方で、同社調べの「2021年卒内々定率調査(8月調査時点)」では、内々定を獲得している学生(69.1%)のうち、53.7%は2社以上の内々定を獲得している。2社以上内々定を獲得している学生の約2割は、内々定を獲得している企業への入社意思を固めていない状況だ。
「内々定取り消しが不安」「選考の過程が全てオンラインで、入社を決めていいか不安」などの理由により、複数の企業に承諾する学生も一定数いることが、学生・採用担当の声から明らかになっている。コロナ禍で先行きが見えない中、「内々定」を複数持ったままの学生が一定数いるため、採用企業は楽観視はできない状況といえる。