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イベントレポート | リモートワーク下の課題

資生堂の事例とともに考えるニューノーマル時代のインターナルコミュニケーション

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 2020年8月27日、インターナルコミュニケーションについて考えるイベント「New Normal時代のインターナルコミュニケーション」がVenture Cafe Tokyoで開催された。リモートワークが普及する状況で、社内のコミュニケーションを円滑に進めていくためにはどうしたらよいのか。同イベントでは、株式会社資生堂 グローバル広報部の丸山鉄臣氏と、インターナルコミュニケーション研究会を主催するブライトコーブ株式会社の大野耕平氏をパネリストに迎え、この点について知見や経験を参加者と共有した。本記事では同イベントの模様をお伝えする。なお、モデレーターはStory Design houseの曽根圭輔氏が務めた。

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インターナルコミュニケーションはなぜ重要なのか

曽根圭輔氏(以下、曽根):コロナ禍以降、リモートワークが推進されるようになった結果、社内の従業員どうしが顔を合わせる機会が減ってきています。こうした状況下で、社内コミュニケーション(インターナルコミュニケーション)は非常に重要性を増してきています。

 リモートワークによって生じている課題を整理してみましょう。リモートワークによって、リアル(オフライン)でのコミュニケーションの絶対量は大きく減少しています。これによって従業員の間に「会社のアイデンティティ」を浸透させ、それを共有することが難しくなっていると考えられます。

 また、コロナ禍によって多くの企業が経営的危機に直面していますが、こうした危機的状況においてこそ、社内のエンゲージメントを高めていくことが重要です。オフラインでのコミュニケーション機会が減少している中で、いかにエンゲージメントを強化していけばよいのでしょうか。こうした問題意識に基づいて、インターナルコミュニケーションに取り組まれているお二人のお話を聞いていきたいと思います。

丸山鉄臣氏(以下、丸山):資生堂 グローバル広報部でインターナルコミュニケーションを担当しています。資生堂は国内外に4万6000人の従業員が在籍し、One Shiseidoの実現に向けて活動しています。

丸山 鉄臣氏
丸山 鉄臣(まるやま てつしん)氏
株式会社資生堂 グローバル広報部 インターナルコミュニケーショングループ
2007年株式会社資生堂入社。営業、コンシューマーセンターを経て、2017年1月からグローバル広報部にてインターナルコミュニケーションを担当。国内外の全社員に向け経営方針や世界中の社内ニュースを発信するイントラサイトを運営。経営層からのメッセージ浸透、各種イベントなどのコンテンツ企画・発信。インターナルコミュニケーションを通じて、経営戦略の一つであるPEOPLE FIRSTの実現に向けて推進中。

大野耕平氏(以下、大野):動画配信プラットフォームを提供しているブライトコーブという会社で、Marketing Managerを務めています。企業における社内での動画活用に関する問い合わせやお仕事が増えているということもあり、資生堂 丸山さん含めた大企業の広報部の方とインターナルコミュニケーション研究会を定期的に開催しています。

大野 耕平氏
大野 耕平(おおの こうへい)氏
ブライトコーブ Marketing Manager
映画好きが高じて、オーストラリアの専門学校で映像製作を学ぶ。帰国後、大手独立系SIerにてソリューション営業として10年勤務。2016年よりブライトコーブでデジタルマーケティング分野の営業として勤務後、2019年よりマーケティング業務に従事。様々な角度で企業における動画活用や啓蒙に注力し、イベント講演やメディア寄稿をしている。

曽根:では、まずは大野さんから「なぜインターナルコミュニケーションが必要なのか」という点からお話しいただきましょう。

曽根 圭輔氏
曽根 圭輔(そね けいすけ)氏
Story Design house株式会社 General Manager
スポーツマーケティングや広告代理店、デジタル動画メディアなどで幅広いマーケティング領域に携わる。新規事業開発における戦略立案・実行のスペシャリスト。日本の伝統文化を世界に広げるXPJPプロデューサーも務める。テック系スタートアップを中心に、数多くのクライアントを広報・PRの観点からサポートしてきた実績を持つStory Design houseのGMを務める。Globis International MBA卒。

大野:「インターナルコミュニケーション」という言葉を初めて聞くという方も多いかもしれません。現代マーケティングの第一人者として知られるフィリップ・コトラー氏が、著書『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』(丸善出版刊)という書籍でこう述べています。

 「エクスターナルマーケティングの前にまず、インターナルマーケティングが必要である」

 コトラー氏の表現では「インターナルマーケティング」となっていますが、ここではインターナルコミュニケーションと同等のものとして話を進めます。

 「マーケティング」という言葉は、通常は上図でいうエクスターナルマーケティング(企業から顧客に対して行うもの)を指します。また、インタラクティブマーケティングといえば、店頭を訪れた顧客と従業員の間で行われるものなどを指します。

 これらに対して、企業から従業員に行うマーケティングのことをインターナルマーケティングといいます。それぞれのマーケティングが適切に機能することが重要だとコトラー氏は指摘しています。

 つまり、従業員に対するマーケティング活動(インターナルマーケティング)によって従業員が経営方針を理解し、帰属意識を高めることが、企業の提供する製品・サービス品質の向上につながり、結果的には顧客満足度が高まるというわけです。

 では、どうすれば従業員の帰属意識を向上させられるのでしょうか。給与や福利厚生なども一つの手段ですが、実は「会社の経営方針や理念に、従業員が共感する」ことが最も重要なのです。

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この記事の著者

HRzine編集部(エイチアールジンヘンシュウブ)

労務管理から戦略人事、日常業務からキャリアパス、HRテクノロジーまで、人事部や人事に関わる皆様に役立つ記事(ノウハウ、事例など)やニュースを提供しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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