マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、「2020年新入社員の意識調査」の結果を発表した。2020年7月31日~8月3日にWebにて調査を行い、2020年卒の新入社員800名(22歳~23歳の男性400名、女性400名)から回答を得た。
2020年の新入社員の勤続予定年数は、3年以内という回答が昨年5月の調査に比べ5.9ポイント増加。10年以内と回答した割合も半数を超えた。一方で、定年までは昨年5月調査比3.9ポイント減となり2割を切った。
また、会社のコロナ対応に不満がある社員の半数以上が、新卒で入社した会社を3年以内に退職する予定と回答し、コロナ対応に満足している社員の約2.7倍となった。企業のコロナ対応が、新入社員の勤続予定年数に大きな影響を及ぼすようだ。
入社後から緊急事態宣言解除までに週1以上在宅・テレワークを利用した新入社員(テレワーク利用者)の割合は半数を超えた。
対人関係に関する悩みでは、コミュニケーションがしにくいと感じているテレワーク利用者は、非利用者の約3倍。さらに、交流が少ないと感じたテレワーク利用者は、非利用者の2倍となり、テレワーク利用者は人間関係の希薄さからくる不安や悩みを持つ割合が高い結果となった。
上司・先輩に要望することとして、話しかけてもらいたいと思っている人が6割を超え、コミュニケーションの機会を望んでいる様子が見られた。
マイナビ転職 編集長の荻田泰夫氏は、総評として次のように述べている。
「2020年の新入社員は新型コロナウイルスの影響で、入社式や研修が中止あるいはオンラインで実施され、特殊な環境下で社会人としての第一歩を踏み出すことになりました。自宅待機や、いきなりのテレワークなどで職場のコミュニケーションに壁を感じていることが調査の結果からうかがえます。受け入れる側の上司や先輩ですら慣れない状況下で、新社会人の不安の大きさたるや、想像に難くありません。新社会人の定着・成長には例年以上の手厚いケアが必要でしょう。
また、新型コロナウイルスに対する安全対策が、勤続予定年数に影響するという興味深い結果も見られました。テレワークの導入が困難であっても、「できる限りの取り組みをしている」「社員の安全を考えている」という姿勢が社員に伝われば、会社に対する評価はプラスになります。ニューノーマルな社会においては、福利厚生や評価制度の充実に加えて、いかに社員の安全を考えるかが人材を惹きつけるポイントになるでしょう」(荻田氏)